2012年4月6日金曜日

馬籠の夕

 昨日、名古屋に新しく開校した名進研小学校の校歌を作詩したご縁で、その開校式に招かれて祝辞など述べてきた。
 式典などが終って、帰途はまた中央高速を走って帰ってきたのだが、どうも途中の恵那山トンネルが私は苦手である。あの非常に長いトンネルを通過中、もしここで大地震が起きたら落盤などが発生しはしないかと、まったく気が気でない。 
 そこで、昨日は、中津川で降りて、あとは旧中山道の山道をとことこと通って飯田まで迂回した。高速なら15分もあれば着くところが、1時間半ほどの山岳ドライブ、しかも途中の峠道ではさんさんと雪が降っていた。
 このルートだと、途中馬籠宿を通る。ついでだから見物してみようと立寄ったが、平日の夕方五時半ころのこととて、すべての店も施設も閉店。完全に人っ子一人いなかった。そのお蔭で、寂寥美溢れる夕景を撮影できたのはなによりであった。ちょっと川瀬巴水の木版画を意識した特殊の撮影を試みたら、よい効果が出た。この行灯の光が仄めいているところ、巴水の木版画でもあり、田中冬二の詩の世界にも通じている。この時間に見参したのは、なによりであった。