2011年3月23日水曜日

我が節電

 東京の計画停電はまことに不便で、とくに近所の店という店がしまってしまうので、なにもかもはかどらない。ここは、ひとつ大いに智恵を絞って節電に励もうというわけで、まず私は、いっさい暖房をしないで仕事をすることに決めた。もともと暖房は好きではないので、部屋の空気を暖めることはしないのだが、ただ書斎は床暖房になっていて、頭寒足熱の寸法でやっていた。が、今般、節電のために、いっさい床暖房も加湿器もつけないことにした。また仕事用のスタンドもLEDに変えてやっている。しかし、この寒波で夜などずいぶん冷える。これを乗り切るために、私は、二リットルのペットボトルに45度かそこらの湯を入れて、それで足下にゴロリと転がしておく。こいつを足先でちょいちょいと挟んだりするだけで、ずいぶん寒くない。で、足には、ご覧のように、羊の毛皮の室内履き(これはカタログハウスで通販しているもの、とても温かい)を履き、その中には、ユニクロのフリースソックスを履き、足の方は内側にフリースが張ってある非常に温かいズボンを穿いて、綿入れの袢纏を着て、首にはマフラーを巻き、頭には勉強頭巾を被って、おさおさ怠りなく防寒に努めながら、寒気凛冽たる書斎でせっせと『謹訳源氏』にいそしんでいるのである。皆さまもぜひ、そのようにして節電に協力いたしましょう。

2011年3月16日水曜日

未曾有の大震災

 まことに古今未曾有の国難に際会し、被災地の皆さま、また救出医療等に御尽力の皆さまがたに、心からのお見舞いと応援を申し上げます。
 幸いに、私の家は、多少がたがたと揺れた程度で、なにも被害を被る事なく、一家息災にしておりますので、そのことはどうぞご放念ください。
 ここに掲出の写真は、きのう、イギリスの友人が送ってきてくれたインディペンデント紙のトップで、この日の丸が、再び上る朝日のように感じられます。いま、在外の友人たちにたのんで、海外でのこの度の災害の報道を集めていますが、世界中の人々は、日本人が、まことに、この大非常時に際して、考えられないくらいの災難を蒙りながら、しかしなお、すこしも理性を失うことなく、粛々としてそれぞれの任務を遂行し、助け合い、我慢し、そして復興へ向けて努力しようとしている、その姿に等しく感動をしていることがわかります。かかる状況下に、叫ぶ人も、奪い合う人もなく、略奪や争いも一切起らず、乏しい食料を、みなですこしずつ分け合って食べて、少ない毛布にいっしょにくるまって寒さを凌ぐ。こういう日本人の心のありようは、世界中の人に感動を与え、日本人は凄いぞ、とみんなが尊敬をしています。この災害は、日本人を世界が見直す契機となってもいます。
 さる友人は、つぎのようなメールをくれました。原発事故の予後は予断を許さぬ状況ではありますが、こういうときこそ、なによりも平常心を以て、粛々と務め、孜々として励む、そういう国民性を大いに発揮いたしましょう。
 がんばれ日本、がんばれ東北
 がんばろう日本人、がんばろう東北人

It is a national trauma but I am sure that no other country in the world could
handle a similar catastrophe better.
Hope also that recovery will be fast and smooth.
All the best, E*****