2022年1月6日木曜日

雪の日


 
 今日は、昼前から雪が降った。もうだいぶ積ったようだ。
 どうも降りそうだという予報だったので、午前中に歩いてきたが、寒さ尋常にあらず、寒気で鼻の中が氷のように冷えて、結果、頭痛が起った。
 帰ってきてまもなく、雪はさんさんと降り募り、もう十センチほどつもったろうか。
 書斎は、冷蔵庫のように冷えきって、床暖房を最高にしてもちっとも暖まらぬ。それで、書斎で仕事をしていると、頭首肩というあたりが冷えに冷えて、ますます頭痛になった。
 そこで、伝家の宝刀、わが大発明なる「勉強頭巾」を出してきて、今冬はじめて被った。これを被るととたんに肩首後頭部があったまって、頭痛はかなり軽くなった。じつに不思議である。というわけで、この勉強頭巾姿をお目にかけた次第。

2021年12月10日金曜日

追憶三唱


 かねて、深見麻悠子君と手を携えて制作中であった、新しい歌曲集『追憶三唱』が出来上がった。今回は自費出版で作ったが、なかなか瀟洒な感じにできあがって、まずは満足しているところである。
これを知友の音楽家の皆さまに贈呈して、コンサートでの演奏を期待している。

 「秋宵偶感」
 「ソネット《七月頌》」
 「百川 一九六七年夏」
 
の三曲が収められているが、三曲通して演奏していただけると、また格別の味わいであろう。
このうち、「秋宵偶感」については、倉藤理大君が昨年清水市でのリサイタルで初演してくれて、そのときの音源で動画を作成、また砂川則和君の歌でも、別の動画を作成してYouTubeにアップし、また「ソネット」についても倉藤君の歌唱動画をアップしてあるのだが、その後、かなり大幅に手を入れて改訂版としたので、その初演はまもなく、12月28日十四時開演、立川たましんRISURUホールにおいて、倉藤君によっておこなわれる予定である。「百川」は11月20日に、田代和久先生がリサイタルで初演してくださった。これらも、近日中に動画を作成して公開する予定である。

2021年10月22日金曜日

香茸飯


  

 じゃーん!
 先にお目にかけた、信濃大町産の名物香茸。その後、遅滞なく天日干しにし、それを水で戻してよく洗い、いしづき近くの泥などが残っているところをきれいに処理してから、細く切って、椎茸・筍といっしょにご飯に炊き込みました。
 上の写真のご飯の上にのっている真っ黒な物体が、即ち香茸の出来上がった姿であります。こんな風に処理して、ご飯に炊いても、持ち前の芳香は充分に香り立って、こりこりっとした食感も好もしく、おいしくいただきました。
 ちゃんと下処理を施したせいか、まったくアクのようなものは感じられず、ただ美味しい香ばしいキノコちゃん、という感じでありました。
 香茸の干したのは、まだ多少残っているので、つぎはなにかと炊き合わせにでもしてみるかと思っているのですが、問題は、戻し汁も真っ黒になるほど、黒い色素が多いことで、炊き合わせるものを考えないと、色が汚くなってしまうという、そこを思案中。まあ、牛肉などはよろしいかもしれぬなあ。
 下の写真は、香茸飯を容器に入れて冷したところでありますが、香茸の香りは、この冷えたやつをたべるとよりかぐわしく香り立つ。写真を拡大してご覧いただきたいのですが、黒くてヨレヨレとしているのが香茸、白っぽくて節のついてるのが布袋竹、香茸の圧倒的な存在感に押されてすっかり目立たなくなっているが、よくみると椎茸の笠もみえる。これは大分の冬菇の名品を戻したもので、これも香り高いものではありますが、すっかり香茸の陰にかくれてしまった。それから、布袋竹とちょっと様子のちがう白い棒ッ切れのようなものが見えますが、これは冬菇の軸を縦に細く割いたもので、笠よりもより強い味と香りを持っています。ただしいしづきは固くていけないので、そこだけは切ってあります。

2021年10月15日金曜日

Apple Crumble

 信州の農家直売所で、ちょうど今、季節柄の林檎の取れたてをたくさんに売っていた。 
まだすこし若い感じの紅玉もあったが、それよりも、深いワイン色とでもいうか、赤黒いような色をした「秋映」という種類の林檎が、いかにも美味しそうだったので、今回は、そちらを買ってみることにした。これは長野県で品種改良して作り出された銘柄だということで、その生産は、九割以上が長野県、つまり信州の林檎なのだ。
 で、これを(むろん皮ごと)食べてみると、酸味・甘味・香りの三位一体、どれもバランスよく仕上がった林檎で、じつにじつに美味しかった。
 そこで、これほど美しい深みのある色なのだから、それを活かして、イギリスのデザートであるアップル・クランブルを作ってみた。案の定、ご覧のように、美味しそうな色にできあがり、得も言われぬ芳香がキッチンに充満している。このトッピングの下に、豊かなワインレッドの皮つき林檎がしっくりと煮えているのである。
 これからミルクティでも淹れて、さっくりと食べてみることにしよう。いやなに、食べてみなくても、もうこの顔色を見ただけで、美味しいに決まっていると分るのである。ははは。
 作るのはごく簡単だけれど、焼くのに一時間かかるのが、ちょっと一手間である。
 しかし、うまいぞ〜〜〜。

 

2021年9月30日木曜日

おおまさり


 じつは、信濃大町のスーパーで手に入れた珍しいものが、もう一つある。それはここもと写真にてお目にかける「おおまさり」という種類の落花生である。もっとも、そういう品種名では売られておらず、単に「茹でる落花生」という名前で売られていたので、ためしに買ってみたのであった。買ったときは、ふつうの落花生だと思っていたのだが、いざ東京に持ち帰って、添付の指示書きどおりに茹でてみると、これが「おおまさり」であることがわかった。
 この豆の大きなことは、スプーンの頭と比較してみると想像できるであろうか。ともかく普通の落花生の倍くらいある巨大な豆で、これは通常茹でて食べる品種である。しかし、栽培されている量は極めて少なく、また流通の時期もごく短期に限られるので、東京では、まず手に入らないし、買おうと思うととても高価である。しかし、これを信州のスーパーで買ったときには、別に高いものでもなく、350円とかそういう値段で、一袋たっぷり入っていた。なんだかお宝を掘り当てたような嬉しさがある。
 すこし濃いめの塩を入れた水で、水から茹でて40分ほど、あとは冷めるまで自然放置するというだけのことなのだが、それで殻のなかの豆にもしっくりと塩味がしみ込んで、またとない好風味となる。まことに嬉しいまぐれあたりであった。

2021年9月28日火曜日

しかく豆


  東京はなんでも手に入る町のようでいて、通常の住宅地のスーパーなどでは、肉も野菜も魚もごく限られた種類しか手に入らない。
 それが、信州あたりでは、東京では見かけない珍しい野菜などを、ごく当たり前に売っているので、じつに楽しい。前回の香茸などもその一例だが、今回は、スーパーで「四角豆」というものを買ってみた。
 ご覧のように、切ると断面が四角になっているので、このように呼ぶのであろうと思うが、みたところはとても豆のようには思えない。がしかし、まずはもっとも単純に茹でてお浸しにして食べてみた。ああああ、じつに美味しい。サクサクっとして、噛むとホロホロっとする。軽い甘みもあって、たしかに隠元豆のような風味もある。パッケージに天ぷらにすると美味しいと書いてあったが、目下のところ、天ぷらのような揚物は作らないということにしているので、それは残念ながらできなかったが、これをサクサクと切って炒め物にして、軽く醤油で味をつけたりしても、たしかに美味しそうだ。
 季節のある野菜のように思うけれど、次回信州に行ったら、またぜひ探して買ってみよう。そしてこんどは炒め物にしてみようか。これほど美味しい野菜がどうして東京に入荷しないのであろうかなあ。

2021年9月24日金曜日

香茸

 東京があまりにも暑いので、信濃大町の山荘にやってきた。すると、こちらはもう最高気温が22度くらい、夜は15度くらいにもなるので、ライトダウンを着ようかという冷涼さかげんで、まことにすごしやすい。
 安曇野は今や稲刈りの真っ盛りで、そこらじゅうで稲刈り機が動いている。いまどきは、もう手刈りしてはさ掛けにしようなんて人は殆ど居ないので、それはもう昔語りになった。
 秋はまた、秋野菜や茸などの最盛期で、今日ふと地元の農家の直売所に立ち寄ってみたら、正真正銘地元産のマツタケを、東京の半額どころか、五分の一くらいの値段で売っていた。それでも充分高価なので、買いはしなかったが。
 そのマツタケの横に、珍しい巨大な茸を山のように売っていた。これはなんだろうと思ってオバチャンに聞いてみたら、「香茸(こうたけ)」という茸だと教えられた。なんでも炊き込みご飯にしたり、甘辛く煮付たりして食べると、独特の芳香があっておいしいというのであった。写真のように巨大なやつが四株くらい一山で1パック2000円だというので、早速買ってきた。もっともこの茸は出るところへ出ると、この五倍くらいする、マツタケなみの高価なものらしい。
 さて、食べる前に、念のためにこの茸の性質について調査してみると、どうやら無毒ということではないらしく、生のままたべると、喉がイガイガしたり、たくさんたべると吐き気を催したりする毒が含まれているという。これを抜くには天日に干して、からから真っ黒になったやつを水で戻して、茹でこぼしたりしてから使うと安全だということである。なかなか面倒である。食べたいけれど、吐き気は困るので、明日から天日に乾し上げることにした。なので、どんな味だかは今のところ分らない。
 この茸は、ご覧のように、茶色くて鹿の子まだらになってるので、別名「鹿茸(ししたけ)」とも言う。ところがそう書くと「鹿茸(ろくじょう)」という漢方薬と同じ字なので混同されやすいが、このロクジョウのほうは、鹿の袋角の剥落したものを乾燥させたもので、まったく別物である。『徒然草』に出てくるのは、このロクジョウのほうで、シシタケのほうではない。念のため。

付言、その後、大町の古いマーケットにもこれを売っていたので、そこのご主人に、どうやって食べるのがふつうかを聞いた。すると、「なーに、こりゃ泥やなんかを落として、それから一回茹でこぼすと、黒い水が出るでね、それを捨ててから使やぁ、別に問題はないで。ま、いちばんふつうには炊込みご飯だな。もっとも、一番簡単で美味いのは、洗ってから、まるまんま炭火で焼いて喰やあ、そりゃもうご町内じゅうにこの良い香りが漂ってせ、それを喰いたさに、そと歩いてる人がぞろぞろ入ってくるってぐれぇさね。まあ、毒ってほどのものじゃなしに、アクがあるから、それを茹でて抜くってこったね。なんでも関西のほうじゃ、これを真っ黒に乾し上げたのを、二本、桐の箱に収めて、結納んときゃ必ず贈るってね。このへんじゃそんなことはしないけどさ」と、子細に教えてくれた。なーんだ、そんなに恐れることはないらしい。ただ、沢山喰うと、とかく茸類は腹を下すから、注意して食べるといいということであった。さて、どうするか、乾し上げるか、このままちょっとだけ味見をするか。ふ〜〜〜〜む。