2010年1月26日火曜日

禁煙スタイル

私はここに、『禁煙スタイル』という素晴らしいサイトの存在を皆様にお知らせできることを大変に嬉しく思います。これは日本全国津々浦々、完全禁煙の飲食店等を、無数のユーザー特派員の報告によって網羅的にリストアップしたサイトで、詳しい情報が載っています。この健康増進法施行下の現代においても、なお飲食店経営者たちの意識は低く、禁煙にすると客が減るかも知れないということに戦々恐々として、受動喫煙によって、八割の非喫煙者、とくに女性や子供に対する加害者となっていることを理解しない人が多いのは遺憾千万であります。まさに日本は世界の後進国、笑い者というも可であります。じっさいには、日本国全体では非喫煙者が約八割なので、禁煙にすると客は増えるということが、事実として証明されています。ロイヤルホストなども、完全禁煙店のほうが客が増加したということを報告しています。かくなる上は、私ども非喫煙者は、すべからくこのサイトを調べて、「つねに全席禁煙の店だけを」利用するようにしてほしいと思います。そうすると、いかに不明不敏の経営者であっても、客が来なくなっては困るから、きっと禁煙しようと思い立つであろうと思うからです。迷惑をかける側の論理ではなくて、迷惑を蒙る人の立場に立ってものを考えてほしいものです。禁煙スタイルのURLは

2010年1月17日日曜日

「はけ」の道あたり


この頃は、運動不足を解消するために、昼五キロ夜四キロの速歩を欠かさない。それで、昼間はいろいろなところへ足の向くままに彷徨してみる。すると、小金井というところは、まだまだ面白い風景がたくさん残っていることを発見して嬉しくなる。この上の写真は、武蔵小金井の駅のある台地の上から、崖下のいわゆる「はけ(湧水)」の道のほうへ下っていく坂で、「質屋坂」と呼ばれる。昔このあたりを所有していた星野氏が、坂上で質屋を営んでいたので、この名があるという。鎌のように湾曲しているので別名「鎌坂」とも言ったらしい。下の写真は、その「はけ」上の断層斜面の竹やぶで、このすぐ上に「TERAKOYA」という有名なフランス料理店がある。まるで鎌倉の谷(やつ)の風景のようで、なかなか味わい深い。

2010年1月16日土曜日

噞喁の風景

玉川上水は、私の家からすぐ近くのところを東西に流れている。江戸時代に玉川兄弟によって開鑿された江戸の町の上水で、一時は暗渠化などが詮議されたこともあったが、やはり整備して残すということになって、今は歴史的遺産として管理されているというのが正しかろうか。昔は太宰治が愛人とこの上水に飛び込んで死んだくらいだから、滔々たる水流だったのだが、今はちょろちょろと流れている程度で、とうてい入水自殺できるほどの水量はない。その上水端を歩いていたら、今はこの水路に見事な鯉がたくさん泳いでいることに気付いた。それがどれも丸々と太った素晴らしい鯉で、楽しそうに泳いでいる。多くは真鯉だが時に緋鯉も混じる。これはいったい誰かが飼っているのだろうか。それとも誰かが放流して野生化したものだろうか。鴎外の句に
  温泉(ゆ)の池や魚あり雪に噞喁(げんぎょう)す
 というのがある。この噞喁という難しい言葉は、まさにこういうふうに魚が群れて水面に顔を出すことを言うのであるが、ちょっとこの句を思い出させる上水の風景であった。

2010年1月14日木曜日

干し大根

この大根の宙づりは何かというと、ただいま自家製の干し大根を作っているところである。また糸魚川のほうから、たくさんに良い大根をいただいたので、先日も思い立って干し大根を作ってみた。なに、原理は簡単で、こうやってワイヤーのハンガーに紐で宙づりにして、軒先に干しておくだけである。これが一週間もすると、ほどよく干し上がって風味がますますよくなるのは実に不思議なくらいである。で、その干した大根を、こんどは自家製の長らく育てている美味しいぬか床に漬ける。すなわち、こうやって沢庵を作るわけである。ぬか床は、冷蔵庫で管理しているのだが(一年中)そうするとゆっくりゆっくりと糠発酵が進んで、まず一週間くらい漬けておくと、ちょうどよい味になる。自家製のぬか床は、塩分を低く抑えて、そのぶん温度を低く管理しているのである。こうして作った自家製の沢庵の美味極上なることは、ちょっと比類がない。で、それに味をしめて、ふたたび干し大根を製作中というわけである。

2010年1月5日火曜日

ロシアの黒熊の帽子

みなさま、あけましておめでとうございます。
どうそ本年もよろしくお引き立てのほどお願い申し上げます。
さて、このものものしい重装備は、私の厳冬時における深夜散歩の出で立ちである。まあ、このダウンジャケットを着ている下にはたいていフリースなどの温かいシャツを着ているので、防寒はそれで十分であるが、頭はやはりこういう帽子を被るのがもっともよい。この帽子は、今を去ること二十五年ほど前に、ケンブリッジ大学からの派遣で、当寺まだソビエト連邦と言っていた頃のロシアの旧都レニングラード(現サンクトペテルブルグ)に研究調査に赴いた折、同地のデパートにおいて手に入れたシベリア黒熊の帽子である。こういうものを買うのでさえ、ソビエト時代のロシアでは、半日がかりの大仕事で往生した記憶がある。なにしろ、店の不親切無愛想無サービスはひどいものであった。が、この帽子の性能はすごい。どんなに寒くてもこれさえあれば頭の寒さはまったく感じないし、二十五年も経っていて、毎年冬には毎日被って歩き、あとの季節はただしまってあるだけなのに、一切毛並みも艶も変らないし、カビなども生えない。実に快適である。さすにがこういうものだけは、ロシアが世界一だという確信がある。もっとも、この帽子は相当に高価であったけれど。