2020年8月17日月曜日

初秋の山里


 大変御無沙汰をいたしておりまして、申しわけ有りませんでした。

 例年のごとく、私は信濃大町の山荘翠風居に隠遁しつつ、片方では『謹訳徒然草』を書きすすめ、また片方では『定年後の作法』の校正も同時並行的に進行しています。

 七月中は、当地も毎日雨ばかりで、ごくごく涼しい日々でしたが、八月に入って梅雨が明けるとさすがに多少夏らしい暑さも感じられます。もっとも、信濃大町の町のほうは私の家のある山懐より気温が五度ほど高いので、昼間はかなり暑い感じがします。それでも、町そのものが標高800メートルの高さにあるので、東京よりはいつも五度くらいは低い気温です。そこから、高瀬川渓谷沿いに山懐に入った拙宅のあたりは、また五度くらい低くなるので、東京とくらべると平均して十度ほど涼しいという毎日です。気温はいつも軽井沢と同じくらいです。

 翠風居は、里山の雑木林のなかにすっぽりと包まれているので、ちょっと風が吹くと、木々の枝などが屋根やテラスなどに落ちてきます。今朝も夜が明けてみると、ウッドテラスにまだ青葉のドングリの枝先がいくつも落ちていました。かすかな秋、小さい秋、そんな感じがして、嬉しくなって写真に収めました。

 昨日は、北山吉明ドクターとピアニストの中田佳珠さんを迎えて、ミニコンサートよりももっとささやかな、マイクロコンサートを翠風居の居間でいたしました。客人は、私が子供の頃から、この別荘村で親しくしている旧友のお二人だけをお招きしました。ほんとうは村のクラブハウスで去年に続いて第二回のミニコンをやる予定だったのですが、コロナで中止せざるを得ず、しかたなく、練習の一環としてのマイクロコンサートを試みたというわけです。幸いに声帯の調子もよく、非常に充実して歌えた一時間半でした。やはり歌を歌うことは私にとっては、大きな大きな生き甲斐で、コロナなどに負けてたまるか、という心意気で歌の楽しさと力を実感した次第です。

 というわけで、元気にしておりますので、どうか皆さまご安心ください。