2024年4月8日月曜日

やっと満開


 都内でも代表的な桜の名所、都立小金井公園は、私の家から歩いて十分くらいのところにあって、格好の散歩場所なのだが、例年四月の第一週に「桜まつり」というのを開催することになっていた。ところが、年々歳々開花が早まるというので、今年は三月の第四週にその祭を設定したところ、あいにくの冴え返りで、その週はまるっきり開花せず、とはいえもうイベントはやめるわけにもいかず、予定通り挙行されたところが、花はゼロ、ただただ出店と人ごみだけという殺風景なる桜まつりになった。しかるに、こんどの週末は満開になった。人生は皮肉である。見に行ってみると、あいにく曇っていて寒い一日だったが、なるほど郷土館前広場は老木の桜が満開になっていた。よく見るとしかし、ここの桜はもう寄る年波か、樹勢が衰えて、花もパッとしない様子になっている。桜は寿命の短い樹(バラ科の樹木である)であるから、そろそろ更新しないとこれからはだんだん枯れるのではあるまいか。もともと、小金井桜というのは江戸時代からの名勝地であったけれど、その頃はたぶん山桜が中心で、玉川上水の堤にズラッと咲いていた。が、それと平行する五日市街道の自動車の振動と排気ガスですっかり枯れてしまい、いまは二代目三代目の樹がほそぼそと咲いているのだが、それも欅などの大樹に押されて、いかにも意気が上がらない。残念なことである。