2008年8月2日土曜日

蕎麦の名品ここにあり

 なにしろ、私は蕎麦というものが無二無三に大好きで、それも手
打ちの生粉打ちで、いっさい海苔などもかけない、盛りそばに限
る。しかも、蕎麦は、細くてつるつると喉越しの良いのが身上で、
ゴソゴソと太いのなんかは気に入らない。またツユというものが大
切で、有名な老舗なんかでも、実際に行ってみると、ベタベタと
甘ったるいツユに閉口することなど、珍しくない。信州あたりで
も、蕎麦は良いんだけれどツユが不味いという店が、また結構多
い。結局、蕎麦が良くって、ツユが良くって、なおかつ、食べ終っ
てから、煮え立った熱い熱い蕎麦湯を、タイミング良く出してくれ
るなんて店でないと、どうも感心しない。この写真の蕎麦は、(写
真が宜しくないので、蕎麦の美味しさが十分に表現されていないの
は遺憾だ!)府中市の「心蕎人さくら」という店の「せいろそば」
で、石臼自家製粉生粉打ち手打ち正真の名品である。まだ若い主人
がせっせと打っているのだが、よほど修業がよかったのか、才能の
しからしむるところか、近年出色の旨さである。蕎麦が良くってツ
ユが良くって、そして蕎麦湯が良くって、いつも感心しながら、そ
の馥郁たる蕎麦の薫りと喉越しと歯ごたえを楽しんでいる。きょう
もちょいとひとっ走りこれを手繰りに行ってきたところである。