2008年12月1日月曜日

わが愛する寿司

 人も知るごとく、私は、大の寿司狂で、毎日食べても食べあきな
い、というくらい寿司が好きである。そのため、日本国中どこへ
行っても寿司に見参すること、われながら物好きの極みであるが、
やっぱり寿司は東京がもっとも美味しいと思うのである。それはそ
うだ。寿司といっても、こんにちはどこへいっても「江戸前」の看
板を出しているところばかりだから、江戸前握りなら、やっぱり東
京が元祖なのである。だから名店も多く、寿司ネタもよいものが
揃っている(とはいえ、上方の押し寿司はまたそれで結構だし、各
地の地方色豊かな混ぜ寿司などもそれぞれに美味しいものがあ
る)。とはいえ、寿司行脚のうちには、まずいなあ、と思う寿司に
遭遇することも非常に多いが、いやいや、それもまた行脚修行のう
ちと割り切っている。
 この写真の寿司は、私の行きつけの店で、杉並区浜田山なる勘六
の寿司の佇まいである。これは赤身のヅケである。勘六の寿司は、
小振りで上品で、ネタも飯も、みな良い。私は飯もネタも大きいの
は疎ましくて嫌いであるが、勘六のは、ほぼ理想に近い。
 さて、この日の赤身はすばらしく美味しかった。そのしっくり
ねっとりとおいしい赤身をヅケに作ってくれたのがこれである。寿
司というものは、あれこれと好きなものを注文しつつ、職人さんと
四方山の話をしながら食べられるので、一人で行っても楽しい。そ
れがなじみの店の、気心知れた職人さんとあればなおさらである。