きのうから、新しく日経新聞社から出す本の口述筆記が始まった。
かくのごとく、編集者と筆記者を前にして、しきりと談じていると
ころである。こんどの本は、どうやったら無駄な金を使わずに合理
的な暮らしをするか、ということがテーマであるが、もともと、私
は「飲まず、吸わず、打たず、買わず、贈らず、投資せず、飾ら
ず」なので、暮らし方そのものが節約的なのである。まったくの
話、飲む、打つ、買う、なんてのを三拍子というけれど、なんでそ
んなことが面白いのか、理解の外の、さらにまたその外である。聞
くならく、世の中の作家連中は、銀座あたりの文壇バーなんてとこ
ろに出没して夜な夜な飲んだりするのが道楽らしいが、まったく時
間と金の無駄である。私は誰に誘われても、謹んでお断りして、一
切さような愚かしいところには出かけない。