二月十六日の夕方、東京エフエムの「キュレーターズ」というトーク番組の収録にでかけた。今回は、私がとくにお願いして、阿川佐和子さんとの御対面が初めて実現したというわけである。
この写真は、どういうわけか、私はばかにおっかない表情で写っているけれど、これでも写してもらったときはにこやかにしたつもりであった・・・。ま、緊張しているのであろうか・・・。
さて、この番組は、三月の日曜に、三回にわたって放送する予定で、その三回分をいっぺんに収録したのである。内容は、ほんとに興に任せての談論風発というか、古典の話、イギリスの話、家族の話と、話題は転々として愉快な対話であった。
阿川さんとは、いままでとかく予定が合わなかったりして、仕事でお目にかかる機会を得なかったのだが、今回やっとそれが実現したのは嬉しい限り。じっさいに会ってお話しなどすると、まことにあのテレビで見るのと同じように気さくで、とても朗らかな話しやすい方であった。そのせいで、私もすっかり調子にのって、ついつい馬鹿話をしてしまったが、これも聞き上手の阿川さんのお力というものであろう。阿川さんの、温かなお人柄にあらためて感銘した次第である。彼女が手にしているのは、このほど大石静さんと共著で出された『オンナの奥義』という新著だが、これは「女子会的対話」の集大成ともいうべき、愉快かつ興味津々たる本で、私も一読大いに頤を解くとともに、「おんなごころ」について深く勉強させていただいたところである。じつに面白い本なので、ぜひ皆様にも御一読をお勧めしたい。また私が手にしているのは、このほど刊行になった『(改訂新修)謹訳源氏物語』文庫版第五巻である。こちらも、いよいよ源氏物語も佳境で、面白い巻ゆえ、ぜひご高覧のほど。