24日から26日まで、鹿児島に講演に行ってきた。このほど、
鹿児島市営の維新ふるさと館での常設展示がリニューアルになり、
そのうちの一つとして、拙著『薩摩スチューデント、西へ』を原作
として製作した短編映像が常設で映写されることになった。それ
で、私はその製作に全面的に協力したということもあって、リ
ニューアルオープン記念の講演会に出向いたというわけである。薩
摩では、篤姫に続いて、薩摩スチューデント渡航150年を記念
して、これをNHKの大河ドラマにという機運が高まっていた。ほ
んとうにそうなるといいなあと、私も願っているところである。そ
んなこともあって、鹿児島の誇る城山観光ホテルに一宿して、そこ
なる料亭楽水で鹿児島市からの接待があった。御馳走になったのは
薩摩の郷土料理のあれこれで、これがまたじつに美味しかった。写
真は、黒豚のスペアリブの甘露煮と、薩摩名物鶏飯(けいはん)で
ある。前者はこってりと濃厚、後者はさっぱりと風流な味で、大変
に結構なお料理であった。薩摩はなにかと美味しいものが多いの
で、訪ねるのが楽しみである。
2009年2月15日日曜日
令月俳座
このごろは、妙に俳句とのご縁があって、つい先頃も、黛まどかさ
ん主宰の百夜句会の末席を汚してきたところだけれど、昨日の宵方
にはまた、大輪靖宏先生主宰の「令月俳座」という句会に参加して
きた。この一座は、ホトトギス系の方たちと、大輪宗匠の門下生た
ちとから成り、老若男女闊達自在、大学院の演習みたいな空気が楽
しかった。さて、いざ選句という段になると、出てきた句がみな面
白く、よく出来た句ばかりで、選ぶのはなかなか悩ましいことで
あった。私の句は、
知らぬ駅に夜汽車停りゐて雪しきる
大根葉もたたけ菜飯でひと馳走
という二句が辛うじて選のはしっこに入ったが、これでなかなか奥
の深い遊びだなあと面白く思ったことである。写真は、私の向かっ
て左が大輪靖宏宗匠、その左に俳人の坊城俊樹さん、その他、座友
のみなさん。
ん主宰の百夜句会の末席を汚してきたところだけれど、昨日の宵方
にはまた、大輪靖宏先生主宰の「令月俳座」という句会に参加して
きた。この一座は、ホトトギス系の方たちと、大輪宗匠の門下生た
ちとから成り、老若男女闊達自在、大学院の演習みたいな空気が楽
しかった。さて、いざ選句という段になると、出てきた句がみな面
白く、よく出来た句ばかりで、選ぶのはなかなか悩ましいことで
あった。私の句は、
知らぬ駅に夜汽車停りゐて雪しきる
大根葉もたたけ菜飯でひと馳走
という二句が辛うじて選のはしっこに入ったが、これでなかなか奥
の深い遊びだなあと面白く思ったことである。写真は、私の向かっ
て左が大輪靖宏宗匠、その左に俳人の坊城俊樹さん、その他、座友
のみなさん。
2009年2月8日日曜日
アーツ&クラフツ
きょうは、東京都美術館で開催中の、『アーツ&クラフツ展』の記
念講演会で、二時間近い講演をしてきた。おかげさまで満席どころ
か何十人も溢れてしまって入場できない人が出る大盛況であった。
『私にとってのアーツ&クラフツ』という演題で、イギリスにおけ
るアーツ&クラフツ運動の概略と、日本の江戸時代における職人た
ちの工芸品、あるいは、光悦や琳派の工芸美術、そして日本版アー
ツ&クラフツ運動である民芸運動、さらには、ラファエル前派の芸
術と、ジャポニスムの関わり、あるいは、ハワードの田園都市構想
とアーツ&クラフツとの関連、などあらゆる視点から、この運動を
概観しながら、同時に、日常のなかにひっそりと存在している「親
しみ深いアーツ&クラフツ」という視点で、工芸品や景観、あるい
は書物の装訂などなど、42点ほどの映像を映写しつつ、お話してきた
のであった。写真は、その都美術館の前に建っている旧東京音楽学
校奏楽堂の佇まい。これも取り壊されるということになったのを、
作曲家の黛敏郎氏らが熱心に保存運動をしたおかげで、今日の姿
で、ここに移築保存されているのである。なんでも取り壊して建て
直すという、日本の体質はほんとうに芸術の敵といってもよい。こ
の奏楽堂では一昨年の六月、『バロック声楽曲の夕べ』という催し
があり、峯貞子先生のお勧めで、私も一曲、パスクイーニという人
の『静かなる憩いのうちに』というレチタティ−ヴォとアリアを独
唱したことがある。いや、その前にも、日本歌曲コンクールの作曲
部門で、櫻井順さんの作曲した『軽い機敏な子猫何疋いるか』とい
う歌を初演独唱したこともあった。とても歌いやすい良いホールである。
念講演会で、二時間近い講演をしてきた。おかげさまで満席どころ
か何十人も溢れてしまって入場できない人が出る大盛況であった。
『私にとってのアーツ&クラフツ』という演題で、イギリスにおけ
るアーツ&クラフツ運動の概略と、日本の江戸時代における職人た
ちの工芸品、あるいは、光悦や琳派の工芸美術、そして日本版アー
ツ&クラフツ運動である民芸運動、さらには、ラファエル前派の芸
術と、ジャポニスムの関わり、あるいは、ハワードの田園都市構想
とアーツ&クラフツとの関連、などあらゆる視点から、この運動を
概観しながら、同時に、日常のなかにひっそりと存在している「親
しみ深いアーツ&クラフツ」という視点で、工芸品や景観、あるい
は書物の装訂などなど、42点ほどの映像を映写しつつ、お話してきた
のであった。写真は、その都美術館の前に建っている旧東京音楽学
校奏楽堂の佇まい。これも取り壊されるということになったのを、
作曲家の黛敏郎氏らが熱心に保存運動をしたおかげで、今日の姿
で、ここに移築保存されているのである。なんでも取り壊して建て
直すという、日本の体質はほんとうに芸術の敵といってもよい。こ
の奏楽堂では一昨年の六月、『バロック声楽曲の夕べ』という催し
があり、峯貞子先生のお勧めで、私も一曲、パスクイーニという人
の『静かなる憩いのうちに』というレチタティ−ヴォとアリアを独
唱したことがある。いや、その前にも、日本歌曲コンクールの作曲
部門で、櫻井順さんの作曲した『軽い機敏な子猫何疋いるか』とい
う歌を初演独唱したこともあった。とても歌いやすい良いホールである。
2009年2月1日日曜日
ベンツの試乗記
もう何年になるだろうか。メルセデスベンツが出している『メル
セデスマガジン』という宣伝雑誌があって、そこに、「リンボウ先
生のメルセデス三昧」という試乗記の連載を書いている。この雑誌
は季刊なので、年四回に過ぎないのだけれど、わが愛するメルセデ
スのいろんな車にたっぷりと試乗できるので、これは仕事ながら
もっとも楽しい仕事である。試乗といっても、一週間ほどもずっと
借りておいて、その間どうかすると、名古屋とか大阪とか、いろん
なところまで長距離を走っていくこともある。この連載は、写真も
文章も私が一人でやっているので、まあ大変といえば大変だけれ
ど、楽しさも二倍だともいえる。大変なのは、撮影する場所を探す
ことである。自由に車を置いて撮影できて、しかも、風景のいいと
ころを探すのは、ひとつの腕の見せ所だが、日本中探せば、案外と
いいところが見つかるものである。上の写真は、E320CDI、
最近乗った車のなかでは白眉ともいうべき名車。エンジンは最新鋭
のディーゼルだが、その滑らかで、トルクが豊かで、しかもセク
シーな味わいのあること特筆ものである。高速を走っていて、これ
ほど安全・快適、かつ楽しい車は比類がない。しかも一給油で
1200キロくらいは軽く走るという低燃費である。うーむ、感心。も
しお金があったら、なにを差し置いても、ぜひ買いたい車。これほ
どの傑作は当今の日本の車にはまったく見あたらない。下のかわい
いのは、ベンツが作っている超コンパクト、スマートである。こん
なに小さくても、ドアの閉まる音などは、優に高級セダンに匹敵す
る。運転席に座ると、その強固なボディとい、重厚な走りかたとい
い、どうしてどうして、やっぱりこれがベンツの味がする。さて、
これらの撮影場所、どこだかお分かりになるだろうか?
セデスマガジン』という宣伝雑誌があって、そこに、「リンボウ先
生のメルセデス三昧」という試乗記の連載を書いている。この雑誌
は季刊なので、年四回に過ぎないのだけれど、わが愛するメルセデ
スのいろんな車にたっぷりと試乗できるので、これは仕事ながら
もっとも楽しい仕事である。試乗といっても、一週間ほどもずっと
借りておいて、その間どうかすると、名古屋とか大阪とか、いろん
なところまで長距離を走っていくこともある。この連載は、写真も
文章も私が一人でやっているので、まあ大変といえば大変だけれ
ど、楽しさも二倍だともいえる。大変なのは、撮影する場所を探す
ことである。自由に車を置いて撮影できて、しかも、風景のいいと
ころを探すのは、ひとつの腕の見せ所だが、日本中探せば、案外と
いいところが見つかるものである。上の写真は、E320CDI、
最近乗った車のなかでは白眉ともいうべき名車。エンジンは最新鋭
のディーゼルだが、その滑らかで、トルクが豊かで、しかもセク
シーな味わいのあること特筆ものである。高速を走っていて、これ
ほど安全・快適、かつ楽しい車は比類がない。しかも一給油で
1200キロくらいは軽く走るという低燃費である。うーむ、感心。も
しお金があったら、なにを差し置いても、ぜひ買いたい車。これほ
どの傑作は当今の日本の車にはまったく見あたらない。下のかわい
いのは、ベンツが作っている超コンパクト、スマートである。こん
なに小さくても、ドアの閉まる音などは、優に高級セダンに匹敵す
る。運転席に座ると、その強固なボディとい、重厚な走りかたとい
い、どうしてどうして、やっぱりこれがベンツの味がする。さて、
これらの撮影場所、どこだかお分かりになるだろうか?
2009年1月25日日曜日
岐阜までひとっぱしり
24日に、岐阜県の各務原にある中部学院大学の公開講座に招かれ
て、『学ぶ力を磨く』という講演をしてきた。例によって往復は自
分の車を運転して行った。往路23日は、まことによいドライブで、楽
しかった。素晴らしい好天の中央高速を疾駆して、途中八ケ岳高原
のあたりでは、正面に八ケ岳の雪峯が大パノラマになって目を楽し
ませてくれた。運転しながら、このように正面に山並みが来るとこ
ろを狙って、左手にハンドル、右手にカメラ、というスタイルで、
何枚か撮影したうちの一枚である。しかるに、24日は寒波襲来で、中
央高速は雪に降りこめられると困るので、復路は東名高速をまわっ
て帰ってきた。東名は、中央高速に比べると距離が一割くらい遠い
うえに、なにしろ交通量が段違いに多く、走りにくいので、神経も
使い、また安全を心がけて走るために時間がとてもかかる。夜に
なってしまって景色も見えないし、帰りはひたすら、車のなかで音
楽を楽しみながら坦々と転がしてきたのである。
て、『学ぶ力を磨く』という講演をしてきた。例によって往復は自
分の車を運転して行った。往路23日は、まことによいドライブで、楽
しかった。素晴らしい好天の中央高速を疾駆して、途中八ケ岳高原
のあたりでは、正面に八ケ岳の雪峯が大パノラマになって目を楽し
ませてくれた。運転しながら、このように正面に山並みが来るとこ
ろを狙って、左手にハンドル、右手にカメラ、というスタイルで、
何枚か撮影したうちの一枚である。しかるに、24日は寒波襲来で、中
央高速は雪に降りこめられると困るので、復路は東名高速をまわっ
て帰ってきた。東名は、中央高速に比べると距離が一割くらい遠い
うえに、なにしろ交通量が段違いに多く、走りにくいので、神経も
使い、また安全を心がけて走るために時間がとてもかかる。夜に
なってしまって景色も見えないし、帰りはひたすら、車のなかで音
楽を楽しみながら坦々と転がしてきたのである。
2009年1月16日金曜日
あんこまパン追加
追加します。
歌曲ピース『あんこまパン』は、イトーミュージックから発売され
ましたが、その連絡先は次のとおりです。
176-0013 練馬区豊玉中1-1-15-208
(TEL)03-3557-5635
(FAX)03-3992-0004
E-mail library@itomusic.com
歌曲ピース『あんこまパン』は、イトーミュージックから発売され
ましたが、その連絡先は次のとおりです。
176-0013 練馬区豊玉中1-1-15-208
(TEL)03-3557-5635
(FAX)03-3992-0004
E-mail library@itomusic.com
あんこまパン
年末に日本音楽著作権協会からの通知が来た。それを見て吃驚仰
天したことは、なななんと、わが『あんこまパン』の演奏にかかる
著作権使用料として五万円ちかい金額が支払われたことが分かった
からである。こんな金額は、ポピュラー畑の人からみたら、問題に
ならないような端た金と見えるだろうけれど、クラシックの歌曲
で、しかも私が作詞したものとしては、空前の多額であったので、
吃驚したのである。おそらく、私の知らないところで、いろいろな
声楽家たちが、この曲を面白がって演奏会で取りあげてくれたもの
と想像される。いや、この歌こそは、私自身も、最近常々あちこち
で演奏しているのではあるが、今をときめく宮本益光君や、かの高
名なる佐藤しのぶさんや、渋い小栗純一さんやらがレパートリーと
して歌ってくれているのは、知っていた。が、それだけではこんな
数字にはなりっこないから、もっと多くの人たちがこれを取りあげ
てくれているのであろう。まことに嬉しいことである。と、思って
いたら、このほどその作曲者の伊藤康英君が、自分の主宰する会社
から、この曲の声楽ピースを発売してくれた。今までは、もう十数
年前に刊行して、すでに絶版になってしまっているCDブック『あ
んこまパン』(小学館)しか楽譜はでていなかったのだから、こう
いう手軽なピースにしてくれたことは、百万の味方を得た思いがす
る。これでますます、多くの人たちに歌われるようになるだろう。
ねがわくは、バリトン用に、二度下げた移調譜も刊行してくれると
さらにさらに嬉しいのだが。
天したことは、なななんと、わが『あんこまパン』の演奏にかかる
著作権使用料として五万円ちかい金額が支払われたことが分かった
からである。こんな金額は、ポピュラー畑の人からみたら、問題に
ならないような端た金と見えるだろうけれど、クラシックの歌曲
で、しかも私が作詞したものとしては、空前の多額であったので、
吃驚したのである。おそらく、私の知らないところで、いろいろな
声楽家たちが、この曲を面白がって演奏会で取りあげてくれたもの
と想像される。いや、この歌こそは、私自身も、最近常々あちこち
で演奏しているのではあるが、今をときめく宮本益光君や、かの高
名なる佐藤しのぶさんや、渋い小栗純一さんやらがレパートリーと
して歌ってくれているのは、知っていた。が、それだけではこんな
数字にはなりっこないから、もっと多くの人たちがこれを取りあげ
てくれているのであろう。まことに嬉しいことである。と、思って
いたら、このほどその作曲者の伊藤康英君が、自分の主宰する会社
から、この曲の声楽ピースを発売してくれた。今までは、もう十数
年前に刊行して、すでに絶版になってしまっているCDブック『あ
んこまパン』(小学館)しか楽譜はでていなかったのだから、こう
いう手軽なピースにしてくれたことは、百万の味方を得た思いがす
る。これでますます、多くの人たちに歌われるようになるだろう。
ねがわくは、バリトン用に、二度下げた移調譜も刊行してくれると
さらにさらに嬉しいのだが。
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