2008年7月29日火曜日

美しくさりげなく

この建物は門司にある和幸運輸株式会社事務所というものである。明治43年に門司税関の保税倉庫として作られたものを、当時大総合商社であった鈴木商店という会社が買い取って民間に移管、今 は、この隣の関門製糖という会社の関連会社の事務棟として使われているらしい。この見事な石積みの護岸は、手前側にコの字形の防波堤を持つ小規模な港湾施設となっているものの一部分で、いまもなお製糖工場として運転されているレンガ造りの工場建築群と合わせて、まことに尊重すべき産業遺産。美しくまたさりげないところが味わいである。私は、日本中を歩き回って、こういう風景を捜してはコツコツと写真に撮ったりしているのである。