2008年7月30日水曜日

アップル・クランブル

これはイギリスの代表的なスイートの一つ、リンゴのクランブルで
ある。これは、目下のところ低脂肪で作る方法はみつかっていない
ので、極めて高脂肪高カロリーなるものだから、ダイエット的には
お勧めしない。しかし、美味しいことはまたじつに美味しいので、
いわば私にとっては「見果てぬ夢」としてここに掲げたのである。
クランブルは、スコンと同じような材料で、小麦粉とバターと砂糖
と塩とベーキングパウダーを、よく混ぜて、指先でこなし、それを
ざくざくとおおまかにまとめてこねる程度で、そのままリンゴの上
に乗せて焼くというのがミソ。リンゴは前もって煮ておくことはな
く、生のまま小さく切って、そこに砂糖とシナモンをよく振り混
ぜ、その生のリンゴをキャセロールに入れて、上からクランブルの
生地ですっかり覆い、オーブンでじっくりと焼き込む。そうする
と、リンゴは蓋をされた状態で、自らの水分ですっかり煮えて蒸焼
状態になり、その水分がまた、クランブル生地と適宜交じりあって
なんともいえない風味となる。
食べるときは、ごらんのように、カスタードソースを掛けて食べる
のだが、ただしこのカスタードは、ほとんど甘味を入れないのがイ
ギリス式。たっぷりのミルクティとともに食べると、これがほっぺ
たのおちる旨さである。この場合、リンゴは、クッキングアップル
であることが望ましいが、日本ではあまり手に入らないので、せめ
て紅玉でつくってほしい。もし通常のフジなどで作るばあいには、
酸味を足す意味でレモン汁などをくわえるとよい。