2008年11月4日火曜日

秋の田の

 秋の田は美しい。いや、田んぼはどこもみな美しいけれど、秋
の、良く実った田に、燦々と秋の陽光が注いでいる景色は、そこに
豊かな、めでたい気持ちが添うので、いっそうの美しさを感じる。
 この景色は、宮城県下川崎町のあたりの田園で、晴れ渡った空の
もと、まさに黄金の穂がいっぱいに実っていた。写真は、先月の仙
台クラシック・フェスティバルからの帰途に撮影したもの。もうあ
れからはや一月近く経ってしまって、今ごろはもう刈り株ばかりの
冬めいた景色になっているかもしれないが、この黄金の穂の揺れる
景色を、どうしてもここに出しておきたいと思ったので、すこしば
かり遅ればせだけれど、掲げることにした。こういう田が、国のあ
やまった減反政策やら、農村の疲弊、労働力の高齢化などの理由か
ら、どんどん荒廃に向かっていることを、私はなにより悲しく思
う。いや、悲しいなどという感情的なことではなくて、これは国の
根幹を揺るがしかねない一大事なのだ。農水省の無策愚策には、ほ
とほと愛想もこそも尽き果てる思いがする。