2010年2月11日木曜日

生チョコ餅

この茶色い団子のようなものは、「生チョコ餅」というものである。わが敬愛する和菓子舗、小金井名物麩饅頭でおなじみの「三陽」が、最近売り出した品で、むろんヴァレンタイン・デイを睨んだものであろうと思われる。こういうものは、別段三陽の独創というわけではなくて、あちこちにこれと似たようなものがあるだろうと想像される。しかしながら、私はともかくこの店の和菓子が大好きなので、さっそくこの生チョコ餅も買ってみた。中はとろりとした生チョコで、それを羽二重餅風の非常に軟質の薄い求肥餅でくるみ、さらにそのそとにビターなカカオパウダーをまぶした、というわけで、まあごくオーソドックスな作り方だと評すべきものであろう。けれども、じっさいこういうものは、甘さ、質感、苦さ、大きさ、微妙なバランスが大切で、さすがに三陽のそれは見事な出来であった。ヴァレンタインは和菓子で、それが新しい時代の風かもしれない。