ながらくお待たせいたしました。
謹訳源氏の第八巻が、やっと店頭に並びます。
第七巻から、ずいぶんと間が空いてしまって、皆様方からお問い合わせを頂戴し、また、ご心配をいただきまして、恐縮いたしております。
なにぶん、この巻は、450ページにも及ぶ厚冊で、読みでは十分、それだけに書くのも、また校正するのも一筋縄ではいかない長さでありました。
いよいよ源氏の没後、その子孫たちの物語が始まります。
いわゆる匂宮三帖という巻々は、いささか過渡的なところがありますが、橋姫以下の、宇治十帖は、また本編とは違った語り口、興趣があって、これはこれで、またなかなか読みごたえのある物語です。
なお、第九巻の刊行は、年末近くになるだろうと思いますが、これから夏休み返上で執筆にいそしむというところです。