いつのまにか月日はたち、あれよあれよという間に一年はもう半分近くまで来てしまいました。
さるところ、5月20日に、金沢アートホールを会場として、同地のドクター北山吉明先生(テノール)と私(バリトン)と二人コンサートをやって来ました。チケット2000円の代金はチャリティとして寄付させていただきます。
これは去年の二人コンサートが好評で、またやってほしいというお声にお応えしての第二回でありましたが、伴奏も前回と同じく、中田佳珠(かず)さんと五味こずえさん。
ちょうど今年は戦後七十年の記念年になるということで、戦前戦中戦後の歌の世界を見渡しての、社会の変遷と歌の歴史を概観してみようという企画を立てました。
歌の学校と称して、途中さまざまな「歌講釈」を挟んでの演奏会で、プログラムは下記のとおりの全二十三曲、これを北山吉明先生と私と、二人で熱唱してきました。お客さまには概ね喜んでいただけたようで、ホッとしています(客席には、私の愛してやまない、東京早稲田『八幡鮨』の皆さんが、お店を臨時休業にしてはるばると金沢まで、五人揃って応援にきてくれました。昔の歌が多かったこともあって、楽しんでいただけたようです)。
*マークは、テノール(北山)とバリトン(林)の二重唱
名前を記したものはそれぞれの独唱。
第一時限 童謡の戦前戦後
朧月夜 (大正13年 高野辰之作詩 岡野貞一作曲 上田真樹編曲)*
汽車ポッポ(昭和2年、本居長世作詩作曲)
花かげ (昭和6年 大村主計作詩 豊田義一作曲)
お猿のかごや (昭和13年 山上武夫作詩 海沼實作曲)
船頭さん(昭和16年 武内俊子作詩(峰田明彦改作) 河村光陽作曲)
里の秋 (昭和20年 斎藤信夫作詩 海沼實作曲、中田佳珠編曲)*
蛙の笛 (昭和21年 齋藤信夫作詩 海沼實作曲)*
第二時限 戦中の歌、戦後の歌
海ゆかば (昭和8年、大伴家持原歌 東儀季芳作曲 高木雅老編曲)
海ゆかば (昭和12年、大伴家持原歌 信時潔作曲)
月月火水木金金 (昭和15年 高橋俊策作詩 江口夜詩作曲)
空の神兵 (昭和17年 梅木三郎作詩 高木東六作曲)
いまひとたび (原曲昭和21年 藤浦洸作詩、高木東六作曲『古い港』、改題新詩は2015年林望作詩、初演)林
水色のワルツ (昭和21年作曲、25年発売 藤浦洸作詩 高木東六作曲)北山
憧れのハワイ航路 (昭和23年 石本美由起作詩 江口夜詩作曲)
山の吊橋 (昭和34年m横井弘作詩 吉田矢健治作曲)
第三時限 戦前から戦後への芸術歌曲
丹澤 (昭和10年 清水重道作詩 信時潔作曲)北山
お菓子と娘 (昭和3年 西条八十作詩 橋本国彦作曲)北山
落葉松 (昭和47年 野上彰作詩 小林秀雄作曲)林
くちなし (昭和46年 高野喜久雄作詩 高田三郎作曲)林
さよならはいわないで (鶴岡千代子作詩 中田喜直作曲)北山
翼 (昭和57年 武満徹作詩・作曲)林
夏は来ぬ (明治29年 佐佐木信綱作詩 小山作之助作曲 上田真樹編曲)*
アンコール
花 (明治33年 武島羽衣作詩 滝廉太郎作曲)*