この秋は、例年以上に講演などのスケジュールが過密で、もうずっと休みの日とてない状態が続いている。
さるなかにも、この4日5日の二日間、信濃大町の山荘の冬じまい仕事と、それに僅かな休暇を兼ねて行ってきた。
あちらでは、いまや紅葉の真っ盛りで、いわゆる綾羅錦繍というべき山河の景色は、まさに筆舌に尽くしがたい美しさであった。
写真は、大町から糸魚川に向かう、いわゆる糸魚川街道から見た青木湖である。天には碧空、遠景に白雪の北アルプス、中景には紅葉の里山、そして青木湖の碧き湖水、ちかくはまた枯れつつあるススキ。もう此れ以上のお膳立ては考えられないくらいの、「日本の秋」がそこにあった。
きょう五日は、まっすぐに中央高速から帰らないで、敢えて少し遠回りした。白馬村から長野往還の道筋を取り、九十九折の山岳道路を抜けて、山奥の孤村鬼無里に至る。そこで、名物「いろは堂」のお焼きを土産に買い、ついでに、旅の駅で地元名産の大根なども仕入れた。いろは堂は、すぐ裏手に「いろはな」という洒落たカフェを開いているので、そこで、お焼き生地のドーナツなどたべた。
さらに往くこと山路を五里、道は下って長野市街に至る。そこで善光寺さんにお参りしてから、あとは高速をひた走って帰ってきた。
まことに目の保養心の保養になるような忙中の閑日であった。