2019年10月21日月曜日

補聴器デビュー



 かねて私は右の耳が難聴で、それはたぶん少年のころに右耳を大けがしたことがあって、その外傷性の後遺症で難聴になったのではないかと推量されているのだが、その上に年齢的な聞こえにくさも加味し、だんだんと左右の耳の音程の感覚にズレを生じても来たので、この際最先進的なハイテク補聴器を誂えることにした。
 そのハイテク補聴器は、デンマーク製のワイデックスというメーカーのもので、もう二十年ほど前にもスウェーデン製だったかの耳穴挿入式の補聴器を作ったときの感じから比べると、これが天地雲泥の違い・・・というか進歩なのに驚いた。以前のはやはり違和感があって、あまり使わぬうちに破棄してしまったのだが、Bloomという会社で誂えた今回のは、詳密な聴音検査に基づいて、そのデータをすべてデジタル化してこの補聴器のチップにインストールするのである。すると、聞こえない周波数のところを、適切に補正してくれるので、まことにクリアに聞こえて、しかも音程の齟齬をまったく感じなくなったのは、大正解であった。また長年止まるということのなかった耳鳴りも、これをつけていると数時間ではっきりと軽減する感じがし、また耳管開放の症状もほぼ感じなくなった。
 これほどの効果があるとは、技術の日進月歩に一驚を喫したというわけである。
 それで今はこの小さな耳掛け式のをつけて暮らしているが、歌はほんとうに歌いやすくなったし、上の写真でもわかるように、補聴器をしていることは、ほぼ誰にも分からない。ありがたい、ありがたいと、こういうマシンを作ってくれた技術者たちに感謝しているところである。