2020年2月5日水曜日

とうじ蕎麦



 きょうは、またまた金沢から北山ドクターを迎えて、ドットラーレの練習に一日すごした。こんど、五月二十日に金沢で演奏会『忘れられた歌たち』をやるので、そのための合わせだが、その名の通り、忘れられた歌が多いので、まったくの新曲と同じく、一生懸命に譜読みをしつつ曲を研究しているところである。
 ドットラーレの練習の後は、いつも私の手料理にて夕食をご一緒して解散ということにしているので、今回は、寒中でもあり、あったかい「とうじ蕎麦」をメインとし、副菜にコンニャクのピリ辛煎り、それから大納言の煮豆という素朴な献立とした。
 「とうじ蕎麦」は、「湯(とう)じ蕎麦」の意ともいい、また「投汁(とうじ)蕎麦」が語源だともいうが、いずれにしても、もともと松本の奈川あたりの郷土料理らしい。
 これを私は、去年安曇野の王滝という店で初めて食し、じつに美味しいので自分でも作ってみようと試みたわけである。これは、もともと柄の付いたそれ専用の小さな竹篭に蕎麦を入れて、鍋で煮えている具だくさんの蕎麦つゆに投じて温め、その汁や具も一緒に食べるという素朴な料理だが、きょうは、忠実にその真似をしてみた。具は、鶏肉、焼き豆腐、油揚げ、大根、人参、玉葱、長葱、椎茸、コンニャク、菜花、芹、ぜんまい、といったところ、蕎麦は信濃大町倉科製粉の安曇野を使った。やはり乾麺ではこれが一番である。
 初めて作った「とうじ蕎麦」は、皆さまに大好評をいただき、四人で六人前の蕎麦をぺろりと平らげてしまった。
 写真上は、その「とうじ蕎麦」をフハフハ言いながら食べているところ。右は北山先生、真ん中はピアノ伴奏に駆けつけてくれた今野尚美君である。