私は手紙を書くときに、いつも手書きではなくてコンピュータで印字したものを差し出すのだが、それはひとつには私の字は読みにくいと多くの人に言われる関係で、まずはきちんと読めることが大切だと思うからである。書くということについては、それが手書きであろうと、コンピュータ印字であろうと、心を込めて書くという一点では、少しのかわりもない。ただし、手紙には、かならず自筆のペン書きのサインを入れることは勿論である。そうして、ただの印字便せんだけではなくて、かならずその便せんを四つに折って、自作のカードに挟んでお出しすることにしている。そのカードは、すべて私が自分で描いた絵をあしらったもので、何種類かを用意してあり、用途や季節に応じて適切なものを選んで使う。この度、また新しいカードを作成したので、ここもとお目にかける。これはイギリスの地方都市でみかけたチューダー様式の建築で、ハーフティンバーというスタイルのもの。おそらく16世紀くらいの古い建築だと思うけれど、イギリスでは別に珍しくはない。それをペン画に描いたものを、スキャンしてデータ化し、自分でこういうふうにデザインしてカードに作るのである。これまたなかなか楽しい手仕事である。