2011年5月1日日曜日
デスクライター
いまでこそ、カラーのインクジェットプリンタが全盛で、安くて素晴らしい機能のがいくらでもあるが、これがほんの十五年くらい前は全然情勢が違っていた。まだキイキイとうるさいドットインパクトプリンタなんてのが主流で、インクジェットは出てはいたけれど、スピードは遅く、クオリティは低く、あまり感心したものではなかった。そこで熱転写プリンタなんてのが巾を利かせてもいたのであった。そういうなかで、ヒューレット・パッカードが発売した、デスクライターというプリンタは、むろんまだモノクロながら、当時の常識を覆すような素晴らしい印字性能を持つインクジェットプリンタの先駆的存在で、発売たちまちに、私どもマックユーザーにとっての定番プリンタの地位を獲得したのであった。この写真がそれで、デスクライター680Cという機種、1996年製。実は私は今までに使用したコンピュータ機材をずっと捨てずに保存している。自ら称してコンピュータ博物館。そのなかにこのマシンもずっと保管していたのだが、さすがにもう置く場所に窮するような事態になって、断腸の思いで、プリンタ類は処分することにした。非常にユニークな技術を駆使した名プリンタを捨ててしまうのは、まことに忍びないが、やむを得ない。さらば、わが愛しのデスクライター!