2013年2月4日月曜日

『謹訳源氏物語』第九巻+電子版第一巻


 すっかりご無沙汰で、更新も怠っておりましたことをおわびします。
一月は、十日にアメリカのヴァージニアから、娘一家が一時帰国して、拙宅の隣棟のほうに三週間滞在していたもので、なにもかもそれに引っぱられて疾風怒濤のような生活でした。その娘夫婦と三人のボーイズもアメリカへ帰り、やっと平安が訪れたところで、折しも、『謹訳源氏物語』の第九巻が刊行になりました。
宇治十帖の半ばあたりの、まさに話も佳境にさしかかろうかというところ、早蕨・宿木・東屋の三帖がこの巻に収められています。
本編とはまた一味も二味も違う、現代小説風の展開を見せる宇治十帖。ぜひともご購読をお願い申し上げます。

と同時に、このたび、電子ブックの第一巻もリリースになりました。下の写真がその電子版の表紙です。
これは、『謹訳』の電子本文と、私自身の朗読音声とがワンセットになって、しかもたいへんに買いやすい価格になっているので、お買い得ではないかと思います。この朗読版は、ネット上で有料ダウンロードできます。
具体的には、iPhone、iPad、iPodtouchで、Appstore を立ち上げ、そこで、『謹訳源氏物語』もしくは、単に『源氏』と入力して検索してください。すぐに出てきます。私の朗読音声に従って、本文が黒から青に変っていく、あのカラオケの歌詞のような方式になっています。訳者自身が思いを込めて朗読した音声・・・これは東京エフエム系の衛星放送ミュージックバード局から毎日放送されています・・・その音声を聞きながら本文を読んで行くのは、また別の楽しみがあります。訳者自身が全巻まったく一人で朗読していくというのは、今までにない試みであろうと思います。録音するのは大仕事ですが、そこをがんばってやってきました。ぜひお聞きください。
電子版は、紙本における最新刷のテキストデータに準拠しているため、初版初刷にあった誤脱などがすっかり修正してあります。その意味でもお買い得かもしれません。
かくて、さしも長かった『謹訳源氏物語』も、あと一巻を残すだけとなりました。終ってしまうのが惜しいような思いを抱きながら、ともかくなんとしても良い訳文を完成したいと、ただその一念でやっています。六月には全巻成就の予定ですが、さて・・・。ともかくがんばります。