さて、金沢のコンサートを無事終えて、次は日田市鶴河内にある、井上邸滴翠園ホールでの「井上邸壱世紀記念コンサート」である。今回は、懐かしい叙情歌の二重唱が中心で、お相方は、テノールの勝又晃君。伴奏は、いつものとおり五味こずえ君である。
そこで、その最後のリハを20日におこなった。まあまあ、声の調子もよろしく、勝又君とのデュエット「デュオ・アミーチ」はもうずいぶん経験を積んだことでもあり、たのしく合わせることができた。独唱曲もたのしく歌い通す事ができたのは、一つの収穫であった。
リハに先立って、私の手料理で「まかない」を供したが、今回は、サンドウィッチでの軽食とした。手前の石皿には、ポテトとキューカンバーの、真ん中の印版の皿にはスクランブルエッグ、ツナとフライドオニオンの、それぞれサンドウィッチがのせてある。キューカンバーは加賀の太胡瓜を用いてイギリス風に仕立てた。そうしていま勝又君と私が手にしているのが、本家本元『あんこまパン』である。考えてみると、歌では何度も歌ったけれど、彼らにこの「あんこまパン」を御馳走するのは、これが最初であった。幸いに、二人とも、おいしいおいしいと言って平らげてくださったのは、まことにありがたいことである。この「あんこまパン」の作りかたについては、拙著CDブック『あんこまパン』をご参照願いたい。