2017年8月31日木曜日

秋景色


 大町滞在も終りに近づいてきた。
 『謹訳源氏物語』文庫版の改訂・校閲作業に追われいるうちに、いつのまにか信濃は秋そのもの、昨日も、この近在のさる手打ちそば店を探索しに出掛けてみたら、もう写真のように稲穂は重く稔って、まもなく刈り入れも始まるかという感じになっていた。
 ことしは天気が悪くて、毎日雨ばかり降った夏で、それは信濃も同じことであったけれど、幸いに稲の成育はそれほど悪影響を受けなかったらしい。
 ただ、こうなってから台風の嵐などに際会すると被害が出るので、まずは安穏なる秋の訪れと無事の収穫を祈るばかり。
 いま安曇野では、林檎がだいぶ色づいてきて、まもなく収穫も始まるであろう。
 また休耕田は多く蕎麦畑に転作されていて、そこここに真っ白な蕎麦の花も可憐に揺れている。ススキも穂が出て秋風に揺れている。
 きょうなどは、台風15号の影響で、一気にシベリアから寒気が流れ込み、わが山荘翠風居のあたりは、ずいぶん寒くなった。あわてて夜はホットカーペットなどオンにして足下を温めることにした。そうしないと、体が冷えて喘息がひどくなるからである。
 ことしの夏もとうとう逝ってしまった。
 この季節がいちばんさびしい。