2019年11月15日金曜日

腰の養生


 じつは先月の15日に、二十年ぶりのぎっくり腰をやってしまい、三週間の養生で、ようやく治ってきたところである。だから、この前に書いた湯島の聖堂での講演も、その前の群馬県館林市での講演も、その次の栃木県小山市での講演も、みなこの痛烈なる腰痛をかかえながら必死に行ってきたのであった。
 療治は主に鍼灸であったけれど、年のせいかなかなか治りが悪く、若いときの倍ほども時間を費やして、やっと愁眉を開いたというのがほんとうのところである。
 ところで、私の腰痛は言ってみれば腰椎を取り巻く筋肉や靭帯などの不具合なので、寝ていても治りはしない。やはりせっせと歩いて腰椎まわりや、腸腰筋などのインナーマッスルを動かし、患部の血行を促すことで、次第に治っていくという機序である。またよくなってからは、その血行促進をやめてはいけないので、再発を防ぐにはつねに活性化しておかなくてはならぬ。その方便として、北山ドクターが紹介してくださったのは、写真のバランストンボというもので、これは非売品なのでふつうには手に入らない。この写真のように、靴の底に装着する、丸歯の一本歯の下駄のようなものである。これで歩くと、骨盤周辺の股関節の運動が促されて血行が盛んになり、腰痛が防げるということである。
 さっそく、ごらんのように、靴裏に装着し、これでまずは6分ほど歩く。ふらふらして不安定な状態になるので、しきりにインナーマッスルを使って姿勢を保つという、その努力を促すのがこの道具の役割である。これで歩くのはそんなに難しくはないけれど、静止して立つのは至難の業である。だから、6分ほど歩いたら、あとは静止起立の練習である。それを一分ほどやったら、一休みだ。
 こういうのをせっせとやりながら、股関節や腰、下腹部などの筋肉をせっせと鍛えるならば、再びギックリとやす心配がなくなるとのこと、ぜひ試してみよう。というわけで、毎朝・毎晩、これを励行しているのである。