2020年1月2日木曜日

謹賀新年


 まずは、明けましておめでとうございます。
 年々歳々、お正月の祝い膳も手抜きになってまいりましたが、それでも例年は、黒豆とか焼き魚とか、林家伝来の芋玉とか、そういうものは作っていたのですが、今年はついにすべてやめて、近所のスーパーで、1780円なりのお節セットというものを買うという手抜きの極みとなりました。なにしろ、大晦日も年が明けるまで、ずっと書斎仕事で息つく間もなく、お節どころではないというのが正直なところでした。
 それでも、最近のこういうのはなかなか良く出来ているなあと、変なところに感心。去年はネットで冷凍の二万円くらいのお節セットを取り寄せたのですが、それがいっこうにおいしくもなかったことを思うと、これで良いのではないかと納得。ただし、お雑煮などはちゃんと作りました。
 私は新年早々から、すぐに〆切りの来る頼まれ原稿やら、正月早々からの講演に備えての勉強やら、春に刊行の新著の著者校正やらに忙殺されていて、お祝いの気分などはまったくどこにもありません。いくらなんでも、そろそろのんびりと隠居的正月、と行きたいものでありますが、世の中はままなりません。
 ともあれ、本年もよろしくお付き合いの程、お願い申し上げます。

2019年12月9日月曜日

慶應女子高の教え子たち



 きのう、私の古稀を祝ってくれるというので、慶応義塾女子高校で教えていた頃の教え子たちが20人ほど集まってくれた。
 上野公園のなかに韻松亭という料理屋があって、その二階テラスに面した洋間での、鳥すきを中心としたおいしい夕食をともにしながら、懐かしい話に花を咲かせた。教え子といっても、何学年も教えたなかで、この学年だけは、卒業以来ずっとこういう親しみを以て接してきた特別の学年で、まことに嬉しいありがたいことである。それぞれがもう立派な社会的活動をしていて、お医者さまあり、税理士あり、大会社の幹部あり、大学の先生あり、NPOの活動家あり、家庭婦人として家族を支えている人あり、いろいろであるが、そういう肩書きとか地位とか、そんなことはまったく関係なく和気靄々たる交友関係を持しているところが、彼女たちの嘉すべきところである。今年はもう56歳とかそういう立派な年齢になっているはずであるが、会えば高校生の頃の気分が即座に蘇ってくる。教師という仕事は、こういうことがあるから楽しい。おいしい鳥すきを食べながら、談論風発、話しは尽きず、ほとんど閉店になるまでお喋りに打ち興じた。みんな元気でね。ありがとう。

2019年11月28日木曜日

雑司が谷音楽堂コンサート



 きょうは、北山ドクター、井谷佳代さんとともに、デュオ・ドットラーレの演奏会を開催、無事歌い終えて帰ってきた。
 会場の雑司が谷音楽堂は、非常に音響のよいホールで歌いやすかったが、とちゅう、私は司会をしていて曲順を間違えるという失態をしてしまった。
 が、結果的にはそのほうが聞きやすかったかもしれない。
 ともあれ、今回は、『望郷SONGS』というので、懐かしい歌、それにアイルランド、スコットランド、イタリア、スペインと、さまざまな望郷的歌どもを歌いわたった。
 終わってみれば反省点ばかりが意識されるが、まあそれは努力が足りなかったとして次回を期することとしたい。
 なにかと、うまくいかないことばかり多いなあ。

 

2019年11月25日月曜日

リハーサル


 23日の土曜日に、金沢から北山先生に出張していただいて、私の家の音楽室で27日のための最終リハーサルをした。
 なにしろ遠隔の地に離れて住んでいるので、合わせの練習をするのも簡単ではない。
 リハーサルは恙なく終わり、夕食は、例によって私の手料理でご一緒したのだが、なにしろ直前まで歌っているので、仕込みはリハの前に終えておき、最後の仕上げは手早く10分程度で終るような献立にしておかないといけない、というさまざまの制約があって、毎回頭を使う。
 それで、今回は、北山夫人から加賀野菜をお送りいただいたので、その加賀野菜を使った具だくさんの豚汁、北陸名物寒ブリのソテー(照焼き風)、鳴門ワカメとシラスと白滝のサラダ(甘酢昆布風味)、カリフラワーのピクルス(既述)、くるみの飴炊き、煎りギンナン、それに加賀大根の葉と東京小松菜の菜飯、西伊豆の潮かつお燻焼き、という献立となった。
 まあ、歌はもちろん楽しいが、お料理もやはり楽しい。みんなに喜んで貰えるのはなにより楽しいことである。

2019年11月23日土曜日

ピクルス


 ピクルスを作った。
 このピクルスは最近頻繁に作るのだが、メインは、カリフラワーである。ただし、カリフラワーのあの白い花のところだけではなくて、回りを包むように付いてくる葉っぱ、とくにその白い部分がとても美味しいので、これを捨ててはもったいない、ぜひピクルスとして賞味しようということを考えた。
 カリフラワーもアブラナ科の植物なので、この葉っぱの白いところは、白菜の白いところとどこか似ている。そうして一見すると固くて食べにくそうに思うのだが、じつはそうではない。これをよく洗って、一口に切り、ちょっと塩を加えたお湯で、五、六分ほど茹でる。このとき、中心の心棒のところも、表の堅い繊維のところだけ切り捨てて、真ん中の軸のところはやはり一口に切って、葉っぱといっしょに茹でる。
 今回は、よい加賀蓮根が手に入ったので、これも加えた。ただし、蓮根や人参は、ほんの一分も茹でればよい。そうしないと歯ごたえが死んでしまう.もう一つ入っているのはカリフラワーの花とタマネギで、これらはほんの三十秒だけ湯通しをする。
 で、これをピクルスの壜にギュウギュウに詰めて、味つけの酢を掛けるのだが、今回は、『ええあんばい酢』というすでに味の決まっている調味酢をつかって簡単に作った。これがじつは相当においしい。スパイスは、ローリエ、黒胡椒、そして鷹の爪、これらは調味酢のほうに加えて煮立て、その煮立っているやつを、熱くなっている野菜にかけて、ただちに蓋で密閉する。これでこのピクルスは翌日から美味しくたべられて、開封しなければ相当に日もちもする。いままで捨てていたカリフラワーの軸や葉っぱがこれほどおいしいとは勿体ないことをしたものだ。ゴミも出なくなって一石二鳥。

2019年11月21日木曜日

若き日は燃えて


 16日の土曜日、この日は、午後に横浜の朝日カルチャーに赴いて、枕草子の講演をしてきたのだが、そのあと、夜になってから、幡ヶ谷の音楽スタジオで、東京経済大学グリークラブの合唱練習に立ち合ってきた。
 このグリーは、去年の定期演奏会で、『夢の意味』(林望作詩、上田真樹作曲)を取り上げてくれたのだが、ことしもおなじコンビの『鎮魂の賦』をメインの曲として演奏してくれることになった。それゆえ、作詩と作曲と、両方の立場から作詩者と作曲者が練習に立ち合ってアドバイスをするという機会を設けたのである。
 と同時に、今年は又、このグリーが新しく団の愛唱歌を作りたいというので、私が作詩し、これも上田君が作曲して、こたび『若き日は燃えて』という曲ができた。これがまた、上田君の作曲がすばらしく、とても美しい曲になった。作詩者としてこれほど嬉しいことはない。その新作の歌も、こんどの定期で初演される。こういう仕事は、なんといっても楽しい。
 写真は、その練習後の記念撮影で、最前列左から、指揮清水敬一氏、上田真樹君、私、そしてピアノの前田勝則君。

2019年11月15日金曜日

腰の養生


 じつは先月の15日に、二十年ぶりのぎっくり腰をやってしまい、三週間の養生で、ようやく治ってきたところである。だから、この前に書いた湯島の聖堂での講演も、その前の群馬県館林市での講演も、その次の栃木県小山市での講演も、みなこの痛烈なる腰痛をかかえながら必死に行ってきたのであった。
 療治は主に鍼灸であったけれど、年のせいかなかなか治りが悪く、若いときの倍ほども時間を費やして、やっと愁眉を開いたというのがほんとうのところである。
 ところで、私の腰痛は言ってみれば腰椎を取り巻く筋肉や靭帯などの不具合なので、寝ていても治りはしない。やはりせっせと歩いて腰椎まわりや、腸腰筋などのインナーマッスルを動かし、患部の血行を促すことで、次第に治っていくという機序である。またよくなってからは、その血行促進をやめてはいけないので、再発を防ぐにはつねに活性化しておかなくてはならぬ。その方便として、北山ドクターが紹介してくださったのは、写真のバランストンボというもので、これは非売品なのでふつうには手に入らない。この写真のように、靴の底に装着する、丸歯の一本歯の下駄のようなものである。これで歩くと、骨盤周辺の股関節の運動が促されて血行が盛んになり、腰痛が防げるということである。
 さっそく、ごらんのように、靴裏に装着し、これでまずは6分ほど歩く。ふらふらして不安定な状態になるので、しきりにインナーマッスルを使って姿勢を保つという、その努力を促すのがこの道具の役割である。これで歩くのはそんなに難しくはないけれど、静止して立つのは至難の業である。だから、6分ほど歩いたら、あとは静止起立の練習である。それを一分ほどやったら、一休みだ。
 こういうのをせっせとやりながら、股関節や腰、下腹部などの筋肉をせっせと鍛えるならば、再びギックリとやす心配がなくなるとのこと、ぜひ試してみよう。というわけで、毎朝・毎晩、これを励行しているのである。