2008年9月16日火曜日

武蔵野合唱団

 
きょうは武蔵野合唱団の特別公演というコンサートを聴きに行って
きた。というのは、ご覧のように、わが『夢の意味』が、作曲者上
田真樹君自身の手でオーケストラ伴奏版に編曲され、それを芸大の
手だれ揃いの若手オケ、横浜シンフォニエッタが演奏し、山田和樹
が熱血指揮するというので、これはもうワクワクしながらその初演
を聴きにいったのだ。武蔵野合唱団というのは、もともとこの武蔵
野市の緑町団地のコーラスグループから発展して、もう創立五十年
にもなるという、実力と規模を兼ね備えたアマチュア合唱団で、本
日も合唱だけで百五十人が乗るという壮大な演奏会となった。ほか
にはモーツァルト二作品、というちょっと風変わりなプログラムだ
が、そこへ、この合唱団出身だという、名テノール佐野成宏さん
が、客席から呼ばれて、『カタリー』と『オー・ソレ・ミオ』の二
曲を、マエストロ小林研一郎のピアノ伴奏で熱唱するというオマケ
までついて、なかなか楽しい良い演奏会であった。この『夢の意
味』は、昨年、東京混声合唱団の委嘱で作られて、その後、楽譜や
CDも出て世に知られるようになったが、今回はまたオケ伴奏とい
うスケールの大きな楽曲に成長、またこの秋には、早稲田大学のグ
リークラブが男声合唱版を初演するということになっている。上田
真樹君の音楽の素晴らしさは、曲を聴いていただければ、どなたに
も了解せられよう。美しくて分かり易くて、しかも心の奥にまで届
いてくる圧倒的な慰安の力を持っている。これが音楽なのだ。そう
いう曲は、現代ではほとんど見あたらないので、近来の傑作である
ことは動くまい。今後は、早稲田だけでなくて、たとえばわが母
校、慶應義塾大学楽友会あたりが、堂々たるスケールで再演してく
れないかなあと熱望しているところである。されば慶應の楽友会の
方、どうぞ、林望事務所(菊籬高志堂事務局)までご連絡くださ
い。待っています。