2011年1月27日木曜日
熱海起雲閣の壮麗
24日25日の両日、熱海まで行ってきた。といっても、物見遊山に行ったわけではない。ちかく刊行されるポプラ社のムックで、ウォーキングの特集をするというので、わざわざ熱海まで歩きの取材・撮影に行ってきたのである。熱海はなにしろ平地のないところで、どこも山坂ばかり、ことのほかに足腰が疲れた。この写真は、市内の有形歴史文化財指定建築の起雲閣のなかで取った。この建物は内田信也、根津嘉一郎、と受け継がれながら増築され整備された富豪の別荘であったが、戦後になって高級旅館として経営され、文豪たちが愛したことでも知られている。今は熱海市の所有管理にかかる文化財である。この別荘は、和式建築のほうはまあ普通のものだが、後の増築にかかる洋風棟のほうは、アーツ&クラフツや、スパニッシュなど、創建当時流行の粋を凝らした設計で、じつに見事で重厚な洋風(和洋折衷的だが)建築になっている。しばらく細部に見とれてしまった。この素晴らしい職人仕事! 今はなかなかこういう建築は作る事ができなくなった。