2011年4月28日木曜日

いきいき


 一昨日26日の午後、神楽坂にちかい出版クラブというところで、雑誌いきいき主催の文学講演会をやってきた。これが三度目だが、前回に引き続き、源氏物語を主題に一時間半お話ししてきた。今回の題目は『光源氏のイケズぶり』というので、この物語のなかに描かれている光源氏がいかにイケズであるかということを、あれこれ例を引きつつ解剖した。
 まあ、そういうイケズな男であっても、天下無双の美男で、貴公子で、天才で、秀才で、美声で、優しげで、泣き虫で、と、こう条件が揃えばどうしても女心は引きつけられてしまうのであろうと、そのように結論づけざるを得ないのだが、聴衆は全員ご婦人で、なかに、敬愛する清川妙先生と、桐原春子さんのお姿もあった。桐原さんは、ずっと以前に雑誌の対談でお目にかかって以来、お互いの著書を交換するというようなおつきあいだが、すらりと背の高い、日本人離れした素敵な女性で、そのご生活自体が、一つの素晴らしい美を体現している方である。桐原さんのブログの美しい花々やお庭の風景の写真には、たしかに人を癒してくれる力がある。この写真はその桐原さんとのツーショットで、私が手に持っているのは、桐原邸のお庭の花々を摘んで作ってきてくださったブーケである。