さて、到着した魚は、ミミイカという小さなイカ、キンキ、ノドグロ、そしてカレイ、という顔ぶれであった。到着した昨日の夕方には、さっそくノドグロを塩焼きにして、またミミイカは、たたきと、オリーブ焼きと、ゲソの煮付けにして食べた。いずれも鮮度抜群で実においしかった。新鮮な魚は匂いが違う。生臭い感じがないのである。そして今日は、写真の大きなカレイをオーブンでローストして食べたが、これまたじっくりと脂が乗っていて、なんともいえず香ばしい焼き上がりであった。美味しい魚は、結局料理は単純な塩焼きとか刺身がもっとも美味しいのである。
もともと魚が大好きで、およそ何の魚でも嫌いということがない。とりわけて、鯖とかカレイなどは、大好物。イカはまたイカマニアというも可なるほどのイカ好きで、かつて『烏賊の十徳』という烏賊賛美のエッセイを書いたことさえあるほどなのだ(拙著『是はうまい』所収、平凡社)。
このカレイは、肉厚で、ほんとうに香ばしい匂いがあって、皮も肉もまたとなく美味であった。夫婦でつついて食べ終わって、あとに残った骨や頭で骨湯を作って啜ったが、これも結構なことであった。カレイのような底物は、ややもすると悪食のせいもあって匂いが悪いことがあるのだが、これはそうではなかった。日本海の清らかな海水で育ったカレイ、いかにもそんな感じがして、大いに舌鼓を打った。こうして安全な魚が食べられることを、天に感謝しなくてはなるまい。