そこで、これを種明かしすると、この写真の「笑福食堂」という目出度い屋号の中華料理店なのである。日豊本線の豊前松江という小さなローカル駅の真ん前にある食堂で、駅のすぐ向こうはもう海、というまことに牧歌的なたたずまいのところである。いつぞや、九州の苅田町へ講演の折に、その辺りの風景探索にぶらりでかけたついでに、ふとこの食堂に立ちよって皿うどんを食べたことがある。写真は、その折りに、セルフタイマーを用いて撮影した一枚。
私の旅は、いつもこういう調子で、ガイドブックなどにはまず出てこないような、「地元食堂」に、出合い頭に入って食べる。おいしい店に当ることもあるし、とんでもないものに出会うこともある。しかし、そういう不確定な、未知との遭遇が、もっとも楽しいのだ。
ちなみに、ここの皿うどんは、なかなか結構なお味でありました。