2017年4月21日金曜日

筍のマリネ


 平塚にお住まいの友人Mさんから、御自宅の庭で取れた筍を送っていただいた。毎年頂戴するのだが、今年のはまた例年にまして、アクがなく、柔らかでとびきりの美味であった。もちろん、さっそくに糠を入れて一時間ほど湯がき、そのまま冷まして、下ごしらえは完了。まずは若竹煮を作り、さらに筍ご飯を炊いた。
 とまあ、ここまでは当たり前の筍料理だが、さて、なにか珍しい、また美味しい趣向はないだろうかと知恵を絞る事しばし、これをちょっとマリネにしてみてはどうだろうかという妻の示唆もあって、さっそく作ってみた。
 まず湯がいた筍を櫛形に薄く切り、これに小麦粉を打って、サラダ油でカラリとなるまで揚げる。その前に、酒、味醂、砂糖、減塩醤油、酢、鷹の爪でマリネ汁を作り、同時に玉ねぎをスライスして、さっと熱湯を潜らせて臭みと辛味をとっておく。この玉ねぎスライスをバットに置いて、上から熱したマリネ汁をかけ、カラカラと揚がった筍をば、ジュワジュワッっとこのマリネ汁に落す。
 そうしてすっかりマリネし終ったら玉ねぎスライスを上に被せて、ラップをして冷蔵庫に半日くらい置くとよい。冷えるにしたがって味はよく染み込み、どこかワカサギのマリネ風の姿になってくるが、あじは歴然として筍。しかも柔らかくてさくさくして、じつに美味しい発明料理となった。マリネ汁を濃すぎないように作ることが旨く作るコツである。
 ぜひお試しあれ。