2009年12月25日金曜日

節約の王道

10月に、この『節約の王道』という小著を出したところ、思いがけずこれがベストセラーの仲間入りをして、びっくりするやら、うれしいやら、である。世はあげて不景気、デフレとあって、とかくに「節約」が叫ばれるこの頃ゆえ、こういう本が江湖の喜び迎えるところとなるのかもしれない。しかしながら、この本は、ちまちました節約のノウハウを教えるという本ではまったくなくて、もっと大きな生活コンセプトを論じた(といってもごく分かりやすく)本である。例えば、ビールを買うところを発泡酒にして節約する、というのではなく、それなら、いっそ飲むのをやめて健康志向に切り替えたらどうか、水道代をみみっちく節約するくらいなら、ぜひタバコなどはすっきりやめてしまうがよかろうとか、パチンコだの競馬だのマージャンだの、およそ博打に類するものは、すべて人生の敵とみて、この際全廃すべしとか、生活全体を見直して、下らないことに金を使わず、ぜひとも有益なことにお金資源を集中すべきことを説く、まあ生活改善の勧めだと思っていただきたい。タバコを1000円に、というのは、私も強く主張しているところだが、それがわずか100円のみみっちい値上げなどという無意味にして愚劣なる政策がまかり通る世の中に、節約という意識からも一矢を放ちたい、そう思って書いたのである。是非御購読を賜りたい。