2009年12月22日火曜日
源氏物語の日々
12月に入って以来、来る日も来る日も『源氏物語』の書き下ろしに没頭中で、たしかに大変な仕事ではあるが、なんといっても源氏が面白いので、この苦心惨憺がちっとも苦痛ではない。それどころか、一日が36時間か48時間くらいあればいいのになあ、とあらぬ願いを抱くくらい、この原文の意味を正確に解釈し判断して、それを、どうしたら面白く、読みやすく、そして原文の意図を「漏れなく」伝えられるか、と頭の中の知識や語彙を総動員して考えに考えぬく日々が続いている。三月から第一巻が刊行されることが決り、題名も『謹訳源氏物語』と決定した。装訂も造本も、すこぶる斬新なものになる予定である。写真、手前は『源氏物語湖月抄(北村季吟)』、上右は、新潮社古典集成本、その左は吉沢義則著『対校源氏物語新釈』、いちばん後ろにちらっと見えるのが玉上琢弥著『源氏物語評釈』、その他にいくつもの注釈書や、参考資料を参照しながら進めているのだが、それはこの写真の枠の外に置いてある。