じつは、信濃大町のスーパーで手に入れた珍しいものが、もう一つある。それはここもと写真にてお目にかける「おおまさり」という種類の落花生である。もっとも、そういう品種名では売られておらず、単に「茹でる落花生」という名前で売られていたので、ためしに買ってみたのであった。買ったときは、ふつうの落花生だと思っていたのだが、いざ東京に持ち帰って、添付の指示書きどおりに茹でてみると、これが「おおまさり」であることがわかった。
この豆の大きなことは、スプーンの頭と比較してみると想像できるであろうか。ともかく普通の落花生の倍くらいある巨大な豆で、これは通常茹でて食べる品種である。しかし、栽培されている量は極めて少なく、また流通の時期もごく短期に限られるので、東京では、まず手に入らないし、買おうと思うととても高価である。しかし、これを信州のスーパーで買ったときには、別に高いものでもなく、350円とかそういう値段で、一袋たっぷり入っていた。なんだかお宝を掘り当てたような嬉しさがある。
すこし濃いめの塩を入れた水で、水から茹でて40分ほど、あとは冷めるまで自然放置するというだけのことなのだが、それで殻のなかの豆にもしっくりと塩味がしみ込んで、またとない好風味となる。まことに嬉しいまぐれあたりであった。