2017年8月3日木曜日

ドットラーレ豊橋公演



 昨日、八月二日は、豊橋の西村能舞台を会場として、また北山ドクターと二人、デュオ・ドットラーレの豊橋公演をやってきた。
 今回は、ピアノ伴奏を井谷佳代先生にお願いして初めての機会であったが、先生の温雅で流麗なピアノに乗せて、大いに歌ってきたところである。
 ただ、北山ドクターは、いつもながらの朗々たる美声で大向こうを唸らせていたものの、私自身は、二週間ほど前から突然に気管支喘息のような症状に襲われて、練習もままならず、ただひたすら本番の時に声が出るようにと必死の養生を続けていたのであった。まあなんとかそれでも途中で落ちてしまうことなく、所定の曲数をすべて歌い終えたというところである。思うように声が出なかったのは遺憾の極みではあるが、なにぶんとも生身の体が楽器ゆえ、こういうことは避け難いところがある。そんななかでも、最善を尽して歌ってきたつもりではある。
 今回も『母の教へ給ひし歌』という題名で、昨冬に金沢で演奏したプログラムに準拠して歌ったが、一部曲目を変更した。
 会場の西村能舞台というのは、豊橋駅からほどちかい住宅地にあって、北山ドクターの従姉さんに当る方がオーナーの個人邸宅内の能舞台で、いまは能舞台としては使用せず、舞台の中央にグランドピアノが鎮座して西洋音楽のための小ホールとして使われている由。ご縁を以て演奏させていただけたのは、まことに楽しい、よい経験であった。

2017年8月1日火曜日

揚げ豚皮


 この夏、一家揃って婿殿のアメリカ(ヴァージニア)の実家に里帰りしていた娘夫婦と孫どもが、元気に無事帰ってきた。
 みんなアメリカの広大な自然のなかでのびのびと夏休みを過ごしたと見えて、一回り大きくなって戻った。なによりのことである。
 さて、ここもとお目にかけるものは、その娘達からのお土産として貰った、アメリカン・スナックである。なんでも、日本には無い珍しいものをと思って選んだそうだが、なるほどこれは珍しい。豚の皮を油で揚げたもので、こういうものは、イギリスにもあるが、イギリスのはほんとうにただ揚げただけで味が付けてないのに対して、アメリカのはいろいろとフレーバーが着けてあるところが、これまたアメリカらしい。で、その一つはバーベキュー味、もう一つはソルト&ヴィネガー味とある。
 さっそく食べてみたが、これはもともとが豚の皮なので、全体に非常に濃厚にオイリーであって、かなり重い。胃弱の私どもには、なかなか食べ切れない味わいのものであった。ソルト&ヴィネガーは、Walker のpotato crisps(日本流に言えばポテトチップ)でお馴染の味だが、相手が豚の皮となるとだいぶ様子が違う。まあ、たとえばビールなど飲む人が、そのつまみにするというような具合式の食べ物かと思うが、お茶では重すぎてちょっと持て余す感じではある。しかし、アメリカ人は、こんな油っこいものをどんどん食べるので、そりゃ太るわけですなあ。

 

2017年7月20日木曜日

バター不使用のショートブレッド


 かねて、ショートブレッドというお菓子は、私の愛好すること深きものであるが、それが美味しいけれど、めったやたらとカロリーが高いという欠点がある。なにしろ、組成からして、全体の三分の一はバター、六分の一は砂糖、というのだからしかたない。美味しいものは体に悪い、そこをどうクリヤーするか、私はまた灰色の脳細胞を運転することしばし、ついによいことを思いついた。
 バターに代えて、オメガ3脂肪酸に富むココナツオイルを使ったらどうか。また小麦粉に三分の一くらいきな粉を交えたらどうか、この二つのアイデアを、さっそく実行してみたところ、見事に成功したので、ここもとご報告する次第である。
 ショートブレッドの製法・材料については、拙著『ホルムヘッドの謎』に詳しく出ているのでごらんいただきたい。その材料の小麦粉300gのところを、小麦粉200g+きな粉100gに変更し、バター200gに代えて純良なココナツオイル200gとする。あとはほぼ作り方は同じだが、ココナツオイルには塩が含まれていないので、かならず塩を一つまみ加えていただきたい。さらに、ココナツオイルの香りが強すぎるといけないので、シナモンを若干加えてみた。
 焼き時間は、今回は生地の厚みを7ミリくらいで作ったので、180度で十五分とした。こうしてじっくりと焼き上げた結果、これはまた見事にショートブレッドが完成。食べてみると、さくさくしてなんともいえぬ美味、これでバターなしとはとうてい思えない。ココナツオイルの香りもちょうといい程度に感じられ、シナモンとよいバランスとなった。これならいくらでもたべられる。きな粉でカリウムやイソフラボンなども取れるし、これは健康志向のショートブレッド、どこかのお菓子屋さんが作って売り出してくれるとよろしいのだが。

2017年7月19日水曜日

ルバーブ

まことにまたご無沙汰で申訳ありません。
 ひさしぶりの更新は、ルバーブのコンポートであります。
 ふつうのスーパーではまだあまり見かけないが、ルバーブという植物がある。これが、見た目は軸の赤い蕗といった風情なのだが、煮るとまるで苺のようなフルーツの味、というじつに不可思議なもの。これについては『イギリスはおいしい』に縷述してあるので、ぜひ御一読願いたく・・・。
 さるほどに、このほどある方から、富士高原にて栽培されているルバーブをたくさん頂戴するという幸いを得た。さっそくこれに砂糖と赤ワインとシナモンと、若干の黒胡椒を加えて色も美しいコンポートを作った。なにぶん蕗の軸のようなものだから、切っているときはザクザクとしてなかなか繊維が強く、こわい感じのテクスチャーなのだが、これを煮るとあっという間にその繊維がほどけてフワフワになってしまうというところがまた、実に不思議である。それゆえ、あまり煮すぎるとすっかり形が崩れてしまうし、酸味が弱くなっておいしくない。あまり煮すぎないところで、ジューシーなコンポートにつくり、これを瓶詰めにして保存すると日もちもするし、実に美味しいものである。
 ルバーブは大黄という漢方薬の下剤の一種で、イギリスでも、もともとはそういう薬草として食べられていたものかと思うが、今はまったくフルーツのように愛好される。全体に爽やかな果実的酸味が豊かなのは、おそらくクエン酸やリンゴ酸を含むのであろうし、赤い皮は葡萄の皮などおなじようにポリフェノールを含有するものと想像される。ただ、苺などと違って、糖分は含まれないので、煮る時は、苺などよりも多めの砂糖を入れる必要がある。
 こうして美しくでき上がったルバーブのコンポートは、毎朝のトーストに、あるいはヨーグルトに添えて、または豚肉のソテーの薬味として、あるいはカレーを作るときのチャツネ代わりにと広く使える。煮え立っている熱々のをそのまま瓶にいれ、即座に固く蓋をして室温になるまで放置し、そのあと冷蔵庫で冷たくして保存すると長期にも保存できる(冷ましてから瓶詰めしては日もちしないので御注意)。

2017年6月21日水曜日

ドットラーレの練習


 空梅雨だ、水不足だとニュースになっていた折から、きょうは、思いもかけぬ豪雨となり、あまつさえ強風、落雷とさんざんな悪天候になった。
 さるなか、かねての予定どおり、金沢から北山ドクターを迎えて、私の家の音楽室でデュオ・ドットラーレの稽古をした。この荒天のなか、おいでいただいたお二人は、すっかりびしょぬれになってしまい、それぞれまずは着ているものを着替えてから、練習にとりかかるという始末となった。
 八月に豊橋で小さなコンサートを開催するので、そのための合わせ練習。今回はピアノ伴奏者に井谷佳代さん(写真一番右)をお願いしての初めての会なので、すこし伴奏合わせも丁寧に実施したところである。
 豊橋は、北山ドクターの従姉さんで西村さんという方の御自宅にある能舞台でコンサートをするという企画で、能舞台でピアノ伴奏で歌うというのは、私にとっては初めての経験である。プログラムは、先日金沢で開催した『わが母の教へ給ひし歌』に準拠し、一部ソロ曲などを変更する。
 あわせて、11月29日の紀尾井町サロン・ホールでの演奏会のための、新曲の試唱もこころみたところであった。外の大嵐もなんのその、熱気むんむんの気合いのこもった練習を終えてから、きょうは、また私の手料理で、茄子と夏野菜のキーマカレーと、野菜のサラダというメニューでありました。
 カレーは、きょうの練習前、午前中に仕込んでおいて、夕方に温めて食べた。自分で言うのもなんだけれど、なかなか美味しくできた。ははは。
 すっかり食事も終って、解散になるころには雨もあがり、良い宵になった。

2017年6月6日火曜日

女子高組とワイワイ


 だいぶ御無沙汰をしてしまい、恐縮の極みであります。
 さて、今は『謹訳源氏物語』を文庫化するに当って、もう一度始めから全部読み直しつつ、超一流の敏腕校閲者にも依頼をして、徹底的に誤脱などを正し、こんどこそは決定版のテキストを作ろうと、目下一生懸命というところである。そんなことで、とくにアップすべきこともなかったため、写真日記もそのままになっていたのであった。
 さるところ、きのうは、かつて慶應義塾女子高校で教鞭を執っていた頃・・・それは私が25歳から31歳までの六年間であったから、茫々たる往時であるが・・・その時分に、その生徒であったOGたちが集まって、四十年ぶりの食事会を催してくれた。みなひとかどの活躍をしている彼女たちだが、集まってワイワイ言っていると、心はただちに女子高生であった頃に戻って、まことに天真爛漫、愉快な一時となった。
 この場所は、新宿高校の直ぐ近くにある、農園ビストロ「マスマス」という、ちょっと隠れ家的な一軒家・・・新宿のど真ん中に、こんな一軒家があること自体が奇跡のような・・・で、その三階個室を借り切っての楽しい美味しい会食であった(このビストロは以前にも同じような会合に使ったことがある)。私はだいたいが宴会というものは大嫌いで、男たちが喜ぶ飲み屋での宴会などは、決して行かないのだが、こういうふうに女性たちの会では、私が飲まないこともあってか、お酒はまあ二の次三の次で、和気靄々としたお喋りで時が過ぎるので、ちっともいやな思いをしない。酔余の狼藉などということも、したがって一切ない。男の酔っ払いの無意味な饒舌に付き合わされるほど時間の無駄にして不愉快なことはないのだが・・・。しかも、この店は完全禁煙につき、タバコの毒ガスを吸わされる気遣いもない。じつに気分爽快なる集まりであった。
 教師をやっていると、こういうことが折々にあって、それがなによりの楽しみでもある。いわゆる教師冥利に尽きるというのであろうか。

2017年5月4日木曜日

安曇野の春


 東京はもう初夏という佇まいだが、安曇野はまだ春のただ中にある。
 いまちょうど、田という田に水が張られ、一枚また一枚と田植えが進んでいる。まもなく安曇野はどこも緑の早苗に覆われることであろう。この写真は穂高のあたりの景色だが、まだ背後の北アルプスの山陵には真っ白く雪が積っている。この雪が融けて流れて田を潤し、地に滲み入ってはやがて安曇野の名水を生むのである。


 北国の里山は、針葉樹の濃緑と、落葉樹の若緑とが美しい混淆をなし、そうしてそのはざまに山桜が満開に咲いている。野には連翹、里桜などなど、百花将に繚乱、しかし、このもっとも美しい季節はあっという間に過ぎて、まもなく初夏の佇まいに変じていくことであろう。

 わがエコノミスト村も、新緑が美しく、水仙や菫、躑躅などの花々が可憐に地を彩っている。冬眠から醒めた熊もおそらくはそこらを歩いていることであろう。猿の群れは村の中を我が物顔に徘徊し、狐やカモシカなども目の当たりに見る事ができる。鳥のことはあまり詳しくもないのだが、日なかに老い鴬が鳴くのを聞いた。樹間遥かに見えるのは北葛岳の雪峰である。