たぶん16日から店頭に並んでいるはずである。
これは江戸時代中期の南町奉行根岸肥前守鎮衛が主人公の、まあいわば捕物帳小説である。かねてこういう小説を書くのは好きで、いくつか単発で短編小説を発表しているのだが、今回は、とくにシリーズ化して、光文社の小説宝石に不定期連載してきたものの単行本化である。もし源氏の仕事がなければ、このほうをどんどん書き進めていきたい、と思うくらい、この主人公には熱い思い入れがあるのだが、いかんせん源氏と両立させながらの執筆なので、やっと一冊になったというのが正直な感想である。
しかし、どうぞみなさま、騙されたとおもって御一読ください。ははあ、こういう世界もあるのかぁ、と納得していただける作品になったと思っています。