
さて、五回目の今回は、『垣間見(かいまみ)の視線』という題目で、源氏物語のなかにしばしば出てくる「垣間見(覗き見)」というモチーフを取り上げ、空蝉、野分、若菜上、御法の各巻から、おもしろい垣間見の読み所を抽出して、どこをどのように読むべきか、ということを詳しく解析しながら、それを空間的に想像してみるという方法をとった。そういう風に解析して味読してみると、この物語がいかに緻密に周到に、また十分な構想力をもって書かれているかということが痛感される。例によって、講釈の一時間半はまたたく間に過ぎた。
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この十月三日から、東京エフエム系の衛星ラジオ局ミュージックバードから、わが『謹訳源氏物語』を、始めから終りまで、ぜんぶ私自身の朗読で読み切ってしまおうという、壮大な連続朗読番組がオンエアになる。ただいま、そのための録音を進めているところだが、これが言うは易く行うは難いのだ。一回の収録で四時間、ほとんど読みどおしに読んでいるので、さすがに声帯の耐久力が限界に近い。