2010年8月7日土曜日

美楽舎展にて

きょうは、日比谷のさるギャラリーで開催されている美楽舎という団体の展覧会で、芸術と生活ということについて、講演をしてきた。この美楽舎という団体は、まったくふつうのサラリーマンなどでありながら、こつこつと美術品を蒐集することを楽しんでいる人たちの集まりで、きょうはその共同の展覧会なのであった。私は、とくに川瀬巴水の木版画の家蔵品をお見せしながら、生活のなかに芸術があることの意味や、蒐集の態度についてなど、ひろくお話しをした。
この写真の左に写っている人は、そういうサラリーマン美術収集家として令名の高い山本勝彦さん、筆名山本冬彦さんという方で、この団体主要メンバーの一人。もし酒やゴルフや賭事などに費やす時間と金があったら、せいぜい画廊めぐりでもして、無名の、しかし才能豊かな若いアーティストを探し出し、眼力を以て良いものを鋭意蒐集したほうがよい。そういうことで、この国の芸術の力はぐんと上がっていくはずである。林 望