2009年10月22日木曜日

炭坑という産業遺産

17日に大牟田市で「ふくおか県民文化祭」というのがあって、今年はとくに、九州一円の産業遺産を世界遺産に登録したいという運動に光を当てるというわけで、私もそういうテーマで講演をしにいった。『産業遺産というながめもの』という題名で、先達の工業国イギリスの例をあれこれ紹介しながら、日本はまだまだこれからの状況にあることを話した。講演が終わってから、三池炭鉱の宮原坑跡という産業遺産を見学にいった。写真の建物はその地下水を排水するための巨大なポンプで、イギリスから導入したものだそうである。炭坑はすでに閉鎖され、炭鉱住宅もほぼ完全に姿を消して、旧炭住地域はまだ一面の草原になっていた。じつはまだまだ炭田としては厖大な埋蔵量があるのだそうだ。といって、これからまた石炭の時代になるとも思えないけれど、石油の時代も終わりそうだから、案外と石炭に光があたる時代が再び来る可能性だってないとも言えないかもしれない。