2009年3月29日日曜日

最後の社中会同

昨日は、慶應義塾大学三田キャンパスの「山食」で、菊籬高志堂社
中会同を開催した。今回は、『私の六十年を振り返って』という話
を、昔の写真などを映写しながら、一時間半おはなしし、そのあと
和気靄々の立食パーティ。会同も年々参加者が漸減して、今回など
は三十名ほどになってしまったので、そろそろこの会同の使命も終
わったものと思い、還暦を期して、思い切って社中会同の最終回と
することにした。そして、読者サロン菊籬高志堂も、この際活動を
終了し、今年度かぎりで解散ということを発表したのであった。な
にやら名残惜しい気はするけれど、これから私は『林源氏』の大仕
事に全力を傾注することにしたので、また作品が仕上がった時にで
も、臨時にこうした会合が出来たら幸いと思う。昨日の会合は、参
加者が少なかった分、参加して下さった方々はほんとうに気持ちの
良い、熱心な読者揃いで、会場はまるで春風そよぐ花盛りの感じがした。
 残念ですが、これで菊籬高志堂の扉を閉じます。いままで、会員
の皆様ありがとうございました。

2009年3月26日木曜日

関東クラブ

きょうは、大手町の銀行協会ビルのなかにある、関東クラブという
ところに招かれて『旅に行こう』という講演をしてきた。パワーポ
イントであれこれの旅の風景写真を映しながら、気楽な話をした。
このクラブは、銀行協会と親縁のある紳士クラブで、歴代の理事長
は日銀総裁経験者が務めることになっているらしい。現在は、福井
俊彦前日銀総裁がその職にあるので、今日も参席され、最前列で聞
いておられた。穏やかで感じの良い紳士淑女がたの集りで、和気
靄々、まことに気持ちの良いひとときであった。この写真は、クラ
ブの応接室からみた大手町界隈の夕景。こうしてみると、東京はほ
んとうに美しい町だなあと、いつも思う。この左手の方向に、皇居
が一望される絶好のロケーションに、このクラブはある。

2009年3月24日火曜日

またまたまた・・・

さて、ここもと、またまた新しい本が刊行になった。今年はどうい
うものか、出版ラッシュという感じが続いている。この本は、今を
時めく脳科学者茂木健一郎さんとの対話をまとめたもので、親しみ
やすい読み物という感じになっているかと思うので、ぜひ手に取っ
てご覧頂きたいと思う。いま、JRの電車のなかの電子広告にも出
ているそうで、それを見た知人が、びっくりしてメールをくれたの
で、こちらもびっくり。茂木さんは、ほんとうに話しやすい方で、
しかも対話には一切の予見を排して臨みたいということで、前もっ
ての打ち合せはおろか、顔さえ合わすことなく、いきなりぶっつけ
本番で対話に臨んだ。それが、結果的にはとても面白い結果を生ん
だように思う。楽しい対話で、もっと話したいと思ったことである。

2009年3月21日土曜日

新刊二冊

去年から拙著の新刊が相次いでいるところだけれど、こたびまた二
冊新しい本が、その列に加わった。
一冊は、『かくもみごとな日本人』という本。これは、もともと日
経新聞の夕刊に連載していた『リンボウ先生のオー人事録』という
広告コラムを一冊にまとめたもので、これは五六年もの間連載して
いたものだった。一回は800字足らずの短いものだけれど、そ
のなかに主に在野の遺賢というような人の一代記やらエピソードや
らを盛り込んだという力わざの文章で、書くのはほんとうに大仕事
だった。それがこたび一冊にまとまったというわけだが、まとめる
に当たっては、かなり手を入れ、また取捨選択の編修を加えて、新
しく付け加えた章もあるなど、面目を改めた。挿絵もすべて私自身
が描いている。
 もう一冊は、『うふふ枕草子』。このほうは祥伝社の小説雑誌、
小説NONに二年半連載していた枕草子の私流読解本で、いかに枕
草子が面白く生き生きとした本であるかということを伝えたくて、
一生懸命に書いた。読んでいただければ、面白さは請け負うので、
読者の諸賢ぜひとも書店で手に取って、ごらんをいただき、なおご
購読願いたいと心から思っている近年力こぶの一冊である。
かれこれ、どうぞよろしくお願い申し上げますしだい。

2009年3月18日水曜日

エリンギ

椎茸は、その後も続々と大きくなって、さよう、もう五十個くらい
は収穫したろうか。いずれにしてもすっかり取って食べてしまった
ので、現在は、菌床は休養中で、これから第二期育成にとりか
かる。というところで、こんどはエリンギの菌床のほうから、ごら
んのようにエリンギがにょきにょきと生えてきた。こちらは椎茸に
くらべると、かなり時間がかかる。そのいちばん大きいのを今朝収
穫したので、これから食べようというところ。さてどんな味がする
だろうか。

2009年3月12日木曜日

椎茸初収穫

椎茸の菌床に育ちつつあった椎茸が、あっとおどろく成長ぶりを示
し、ようやく食べられる状態になったので、ここもとお目にかける
次第。実は、この写真を取ったあと、大きなやつだけを収穫して、
さながら直火に炙り立てて喰った。正直いえば、ちょっと頼りない
テクスチャーで、さすがに、大分あたりの山林に養われた野性味溢
れる椎茸には遠く及ばなかったけれど、まあ、これは育てて食べる
楽しみのためにやっているので、味は二の次というところかもしれ
ない。このぐんぐんと大きくなるところが面白いのだ。

2009年3月8日日曜日

椎茸続々

こないだ、友人たちが集ってくれて、ごくごく少人数で私の還暦祝
いをしてくれた。そのときに、お祝いとして頂戴したのが、この椎
茸の栽培セットである。半信半疑で水をかけて日影で養っていたと
ころ、二三日で芽が出始めて、いま五日目だけれど、もうこんなに
立派な椎茸どもが育ってきた。これを間引いて大きくするのだそう
だが、せっかく生えてきたのだから、みんなこのまま育てようかと
思ってみたり、なかなか気の利いた楽しいプレゼントである。感謝。

2009年3月5日木曜日

高宮教授最終講義

三月はまだ四日になったばかりだというのに、きょう、三田の慶應
義塾大学のキャンパスに行ってみると、びっくりしたことに、山上
の桜が、軒並み咲いていた。三月初旬に桜が咲くとは! しかも昨
日の雛祭りには雪が降ったのだったが。さて、かねて敬愛する塾の
先輩の英文学者高宮先生の最終講義は、漱石の『薤露行』を巡って
の、主に江藤淳と大岡昇平との論争を論じたもので、しかし、この
複雑なる内容を高宮さんは洒々落々、いかにも分かりやすく面白く
説き明かして、一時間半の講義はあっという間に過ぎた。慶應義塾
の大教室を満席にしての最終講義、私にとっては十分に憧憬するに
足る空気であった。自分も願わくはそういう機会を持てるような立
場に居たかったが、ついにそれは見果てぬ夢になった。その意味で
は、高宮さんが羨ましくてならなかった。

2009年3月4日水曜日

還暦祝い

きょうは、ロルフィング関係の親しい友人たちが集ってくれて、わ
が還暦の祝いの宴を開いてくれた。まことにありがたいことであ
る。宴は、これもわが愛する入谷の梵で開かれたが、そしたら、お
店の御主人が、こんなによく出来た祝いのケーキを用意してくれて
いた。それにしてもよくできた似顔ケーキである。こう見えて、こ
れが苺のショートケーキなのだからびっくり。顏などはチョコレー
トでできていて、食べてみたらとてもおいしかった。お料理はまた
春らしいものが勢ぞろいで、今年初めての若い筍など頂戴した。き
けば熊本で出た筍の由だった。雪もようの一夕、お酒も飲まずに、
おおいに談論風発、笑いさざめく楽しい一時だった。感謝!

2009年3月1日日曜日

加治木まんじゅう

ひきつづき、薩摩シリーズの写真から。
私はなにをかくそう、大の饅頭好きである。和菓子のなかでも、こ
の皮と餡のアンサンブルが楽しめて、土地土地によって、いろいろ
なヴァリエイションがあるというところも、饅頭の楽しみの一つで
ある。そのため、各地に出向くにしたがって、かならずその土地の
ローカルな饅頭の味わうことにしているのだが、さるなかに、日本
随一と言ってもいいくらい、饅頭界の白眉と称すべきものが、この
鹿児島県加治木町の加治木饅頭である。この町は、もともと鉄砲鍛
冶で知られたところで、戊辰戦争のときなどは、加治木大砲隊とい
うのが全国で活躍をするのだが、それとは別に、この饅頭が名物な
のだ。皮には甘酒を練り込んで、ねっとりと湿潤、うす甘く、かす
かに塩気もある。また餡は、店により粒であったり漉しであったり
するが、私はもちろん漉し餡を第一と心得る。この美坂という饅頭
舗のそれは漉し餡でほんわかと温かい蒸し上げを売る。旨い。加治
木随一の饅頭舗は、おそらく新道踏切脇なる新道屋かと思うけれ
ど、そこは連日大人気のため、昼前にいかないと売り切れてしま
う。残念ながら、今回は新道屋の饅頭は売り切れの為手に入らな
かった。また次回に薩摩に行く時は、朝起きして買いにゆくべし。