2009年7月26日日曜日

わがマックの更新

日頃、我が相棒として一日じゅうつきあってくれているiMac
が、去年の正月に買ってからまだ一年半にしかならないのに、もう
ハードディスクが満杯に近くなってきて、このままでは源氏物語の
大仕事にはとても間に合わないという気がしてきたので、思い切っ
て新しいiMacに更新することにした。今回は、最新型のマシ
ンに1テラバイト(1000GB)の広大なハードディスクを搭
載し、なおかつ、バックアップマシンとしてのハードディスクにも
1テラバイトを用意した。近ごろはハードディスクもメモリも信じ
がたい価格に下がったので、こういうことが可能になったのであ
る。思えば、1990年ころ、初めてアップルのSE/30を
買ったころは、メモリ512KB、ハードディスクなし、スト
レージはフロッピーが原則であり、発売されたばかりのハードディ
スクはたかが10MB程度で20万円もした。隔世の感と
はこれである。しかし、この二台のiMacは、ファイアワイヤ
ケーブルで接続して移行アシスタントを使えば、自動的に旧マシン
のすべてが新マシンにコピーされるはずなのであったが、実際に
やってみると、どうしてもエラーになってすぐに止まってしまう。
なぜだかわからないけれど、しょうがないので全部手作業で更新移
行をしたところ、丸二日かかってもまだ終わらない。マックの世界
ではこういうことはしばしば起きるが、まあ、いつものことだか
ら、もう怒る気にならぬ。ただ笑って、マックもしょーがねーな
あ、とぼやくばかりのことである。

2009年7月22日水曜日

真夏の鳥鍋

この暑いさなか、物好きにも鳥の水炊きを作って食べた。暑中に鳥
鍋をつつくのは、京都の夏の風物詩の一つで、あの鴨川の河原に床
を出して、多くの店が鳥鍋などを供する。客は一風呂あびて、浴衣
がけで川風に吹かれながら鳥鍋で暑気払いをするというわけなのだが、今回はそ
の行き方で、わざわざ京都錦市場の鳥清(http://www.kyoto-
torisei.com/)から取り寄せて作った。これがコラーゲンたっぷり
のまことに濃厚な鶏出汁と一キロもの上質な鳥肉のセットで、三四
人前というのだが、まあ六人前はゆうにあるほどの肉の量であっ
た。これで4380円というのは非常にお買い得という感じがす
る。真夏の鍋もまことに結構である。仕上げには、この出汁のなか
に中華そばを入れて共汁で食べる。おいしくて、おなかにもたれな
いのはさすがである。

2009年7月13日月曜日

我が愛用の庖丁たち

ここに並んでいるのは、私の日頃愛用する庖丁のあれこれである。
いずれも、薩摩国、薩摩川内市なる東郷刃物という鍛冶屋さんが
打っている手打ちの庖丁である。値段はちっとも高いものではなく
て、一本三千円以内だから、むしろすこぶる庶民的な品物。しかし
ね、薩摩の鍛冶の力量を侮ってはいけない。さすがに武張った土地
柄ゆえか、これらの刃物は、ハガネが良くて、実に実によく切れ
る。しかも、ちょっと研げばたちまちに切れ味が出て、刃こぼれな
どしない粘り強さも具わっている。右から、大振りな菜切り庖丁、
中型の菜切り庖丁、変形柳葉、鯵切り庖丁、というわけだが、特に
右の二本は私の日常使っているもの。なにしろ五分も研ぐと、トマ
トの上に置いただけで、庖丁自体の重さによって、みごとに二つに
切れてしまうというくらいの切れ味である。バランスもよくて、こ
ういう庖丁で調理することには、それ自体快楽があるのである。私
ども家庭の調理人には、何十万もするようなプロ用の刃物など使う
必要などありはしないのである。

2009年7月11日土曜日

かなしみのそうち

きょうは、滝野川会館というところで、東京芸術大学付属高校の生
徒たちによる、アカンサスコンサートという催しがあり、そこでは
校内の演奏会で選ばれた演奏者たちが、それぞれの楽曲(今回はア
ンサンブルのみ)を披露した。そのなかに、朗読と歌とピアノとフ
ルートのための組曲『かなしみのそうち』が演奏されたので、作詩
者として聴きに行ってきた。もっとも単に作詩者としてというだけ
ではなくて、彼女たちが練習するに当って、さまざまなアドバイス
をしたというご縁もある。演奏はほんとうに完成度が高くて、素晴
らしかったが、同時にまた若々しく情熱的で真摯な演奏態度がとて
も好感された。演奏が終ったとき、私の後ろの席の人たちが
「あ〜、すてきねえ」と感に堪えたように漏らしたが、それはまっ
たくその通りだと思った。写真左から、ピアノの新納(にいろ)
君、ソプラノ斉藤君、朗読青柿君、私、フルート岡田君、そして作
曲者の上田真樹君。

2009年7月10日金曜日

教師冥利につきる

ちょっと前のことになってしまったけれど、この写真は、六月下旬
に慶應の女子高で私が教えた教え子たちが五十人近くも集って、私
の還暦を祝ってくれた時の写真である。私は、慶應女子高では一介
の非常勤講師に過ぎなかったのだが、それでも、こんなに多くの元
生徒たちが(いまはもう四十代後半の立派な女性たちだが)集って
くれた。そして、集った以上は、単にお祝いの会食というのでなく
て、慶應の日吉キャンパスのセミナールームを会場として、私の講
義を一時間半ほどみっちり聴いて、それから会場を変えて会食と
なった。ここに集うてくれた教え子たちは、多く社会の第一線で活
躍している非常に有能な女性たちだが、三十年ぶりに会えばやっぱ
り高校生のころの雰囲気そのまま、ほがらかで聡明で、じつにきも
ちのいい子たちなのであった。ああ教師になってよかったなあ、と
いわゆる教師冥利に尽きる思いがするというのは、まさにこういう
ときである。

2009年7月9日木曜日

タバコの害毒

タバコについて。浜松での禁煙運動の話をこの写真日記に載せたと
ころ、その浜松の加藤医師から、こんな新しい記事がおくられてき
た。医学的疫学的な大規模調査の結果として、自分が吸わなくと
も、受動喫煙のために認知症のリスクが高まり、また親の喫煙が子
どもの若年死・発ガンなどのほかにも、小児の認知障害を惹起する
エビデンスがある、という医学的な記事である。こういう明確なる
証拠があるにもかかわらず、「健康のために吸いすぎに注意しま
しょう」などというごまかしのような注意書きを書いて、事足れり
としているJTという会社の悪質性や、そこに天降ることを目的と
してこれを保護しているキャリア官僚たちの罪はまさに万死に値す
るというものである。自身喫煙される人はもとより、配偶者が喫煙
者だという非喫煙者も、この現実を直視しなくてはいけない。先日
もテレビニュースをみていたら、自民党の会合で、モウモウとした
タバコの煙のなかで、平気でタバコを吸いながら何かを議論してい
る議員たちの姿が映し出されたが、国会がこれではこの国の将来は
危うい。政治家はもっときちんとした意識をもってもらいたいもの
である。

禁煙うちわ

この写真は、先日、浜松で講演の折に、同地の開業医で、タバコの
害をなくすために浜松を中心として力を尽くしておられる加藤一晴
医師から頂戴した「禁煙うちわ」というものである。私は、このウ
チワを手に『枕草子』の講演をして、どうか一人でも多くの方が喫
煙などという百害あって真に一利なき愚行から足を洗われるように
一言お願いを申し添えた。聴衆は全員ご婦人がたで、喫煙者はおそ
らく一割にも満たない少数であったと思うけれど、その夫はおそら
く半分以上喫煙者で、その夫の吸うタバコから出る猛烈なる毒ガス
によって、受動喫煙の害を受け、肺気腫、肺ガンを始めとして、あ
らゆる病気を身に受けることになる、という現実に、ご婦人がたも
目覚めてほしいのである。そして、一日も早く、夫たちに喫煙をや
めさせるように努力してもらいたい、とそういう願いを申し上げた
ところである。ちなみに、会場となったホテルコンコルド浜松のロ
ビーには「喫煙コーナー」などというものが設置してあったので、
加藤医師と二人でホテルに申し入れ、よく考えてほしい旨を話した
ところ、翌日にはすべての喫煙場所がロビーから撤去されて、少し
でも安全な空間となっていたことを、私どもは嬉しく思った。すべ
てのホテル、レストラン、喫茶室、バー、などは今や世界標準と
なっている「完全禁煙」ということを断行されるよう、切にお願い
したい。禁煙にしても客は減らないということは、幾多の調査がこ
れを証明している。喫煙者を基準に物事を考えてはいけない。日本
の総人口の七割以上は非喫煙者なのだから。子どもや女性や、そし
て非喫煙者たちを、受動喫煙の大害から守るべく、ぜひWHOの標
準に従って欲しいものである。

2009年7月8日水曜日

夏の富士五湖

たいへんにながいこと、更新をさぼってしまってもうしわけありま
せん。じつは、猛烈な忙しさで東奔西走していて、六月いっぱいは
まったく寝る暇もなく、七月に入って、ようやく少しだけ時間がで
きました。東奔西走というのは、文字通りで、6/27に名古屋
でアーツ&クラフツの講演をしたことは、BBSにも書いてあると
おりですが、そのあと、また7/2に浜松で中日レディースサロ
ンというところの招きで、枕草子の話をしてきました。浜松への往
復は、中央高速から富士山麓に抜け、東名富士インターで東名に入
る、というルートを往還します。これが道々涼しくて景色もよく、
おいしいものもいろいろあって愉しいドライブです。この写真はそ
の途中、本栖湖で撮影したもの。夏の富士五湖はとてもよい景色で
す。空気はおいしいし。