2009年9月19日土曜日

錦糸瓜または素麺南瓜

晩夏初秋の美味、錦糸瓜を、今年も頂戴して、さっそくいつものように二つに縦割りにしてから、櫛形に切り、皮を去って、それを熱湯に入れてしばし茹で、氷水に取って指でほぐすと、ほんとうにこのように美しい錦糸状になる。これをよく流水に晒し、固く絞ってから、私は、ほんとうに素麺のつゆに卸し生姜を和し、それにつけて食べる。錦糸瓜も素麺南瓜も、じっさい良く名付けたものである。まことにしゃきしゃきパリパリとした歯ごたえの素晴らしさ、何もクセのない風味、さわやかな黄色、しかも食物繊維満載でほとんどカロリーは無し、とダイエット的昼食にはうってつけである。もっともこれを三杯酢などに和しておかずにもなり、白身の魚の汁などの相方にもよろしく、ともかくこんなに良いものは珍しいという感じがする。私の大大大大好物の一つ

2009年9月17日木曜日

テレビドラマ出演!

れれれっ!! トレードマークのヒゲがない、とびっくりされた方も多かろうか。じつは来年の終戦記念日に放映予定のNHKのドキュメンタリードラマ『日本のいちばん長い夏』のなかで、作家の大岡昇平の役で出演してきた。昨日と今日の両日収録があったのである。ドラマの仕上がりは見てのお楽しみとしようけれど、ともかく大岡昇平はヒゲなんか生やしてないので、どうか剃ってくださいと監督に懇願されて、断腸の思いで剃った(すぐまた生やすけど)。しかし、やってみると、役者というものは大変な仕事だと痛感する。出演者はプロアマ混合で、上の写真は松平定知アナとのツーショット。松平さんは、ジャーナリストの扇谷正造役、じつに見事な演技に感心。下の写真は、落語家で医師の立川らく朝師匠。こちらは徳川夢声の役。これまたさすがに噺家だけあって堂々の夢声ぶりであった。いずれも着しているのはドラマ用の衣装である。於、緑山スタジオ。

2009年9月12日土曜日

ナツユキカズラ

この真っ白な花は、和名ナツユキカズラ、英語俗称Russian Vineというものである。これは私の家のガレージの屋根を覆い尽くして、毎年六月ごろと十月ごろの二回、真っ白に花を咲かせる。今年の二度目の花は例年より少し早い。おそらく異常に早く秋が来たことと関係があるのであろう。この蔓性の木は、別名mile a minute とも言い、つまり一分に一マイル延びるほど旺盛な生命力を持っているということである。イギリスでは広大な庭のフェンスや、空港周りの壁などによく見かけるが、日本にはほとんど入っていない。これはイギリスからの輸入ものである。この木がガレージを完全に覆い尽くしているため、ガレージのなかは夏でも涼しく、また落葉樹なので冬は少しも暗くない。

2009年9月11日金曜日

湖月抄

源氏物語の全訳は着々と進捗中ながら、九月に入ってからは、普通のルーティンの仕事も平行してこなさなくてはならず、なかなか時間の配分が大変である。この写真は、家蔵の『源氏物語湖月抄』江戸前期刊本で、なかなかよい刷りの本。近代の注釈書もむろん有益であれこれ参考にしているのだが、解釈に行き詰まったときなど、案外にこの北村季吟の注解がヒントを与えてくれることがある。家蔵本は『静修館図書印』の旧蔵印記があるが、この静修館がどこであるかは未考。