2012年6月15日金曜日

駄菓子

まことに長らく更新を怠っておりまして、大変に申し訳ありません。このところずっと、『謹訳源氏物語』第八巻の校正等に追われて、捩り鉢巻き状態でした。
さて、ここもとお目にかけますのは、駄菓子であります。
昔は、駄菓子屋というものが、学校の近くなどにあって、級友たちはしばしば立寄るようでしたが、私どもはお金というものを持たずに暮らしていたこと(それは私どもの時代には当たり前であった)、それから駄菓子屋に立寄って買い食いすることを禁じられていたこと、この二つの理由から、子供時代に駄菓子屋というものに入ったことはありませんでした。それゆえ、駄菓子の味というものは、まったく記憶のなかになく、何の懐かしさも感じないのですが、つい最近、近所の中古本屋に行ったところ、レジのところに、こんなものがたくさん売られているのを発見。ははあ、駄菓子屋アイテムだなと思って、ちょっと買ってみました。この下にあるのは、「うまい棒」というもので、先日テレビで芸人衆が、どのうまい棒がうまいか、というどうでもいいような評定をしていたのを、ちらりと見たので、どんなにうまいかと買ってみました。が、ちっともうまくないのでありました。手前の「ココアシガレット」というのは、私どもが少年時代に、「シガーチョコ」という、よく似たものがあって、遠足には必ず持って行って、少年たちは、オヤジの真似をして、「スパーッ」とか口で言いながら、タバコの形のチョコを食べたものでした。それは駄菓子ではなく、ふつうの菓子屋さんにありました。で、そんなものかと思って買ってみたら、これは全然違うもので、一種のキャンディなのでした。これまたちっともうまくはないので、さっそく捨てました。味はともかく、しかし、こういう疑似タバコ的商品を、子供たちに買わせるというのは、教育上ゆゆしき問題で、こんなことからタバコへの親近感を抱く少年もいると思うと、ぜひやめてほしい、と切実に思います。タバコを撲滅するためには、一に教育、二に教育。あの愚劣な政治判断ばかりしている日本国総理大臣のように、タバコを吸うと脳味噌が腐ってしまいますから、良い子の皆さんは、決してそんなことを真似してはいけません。