2014年2月27日木曜日

雪国山形へ


雪の山形市へ行ってきた。
むろん仕事で、今回は山形市役所の職員研修の一端としての文化講演会ということで、源氏物語の面白さについて話してきた。
さすがに、この季節の山形まで車で行くというのは、万一また大雪でも降ったときのことを考えると、リスクが多すぎるということで、異例中の異例ながら、新幹線で往復することにした。新幹線に乗るのも何年ぶりであろうか。
大宮から乗るときには暑いほどの陽気で、これはしまった車でいけば良かったと思ったのだった。郡山を過ぎるあたりまでは、雪も先日の大雪の名残がそこそこ残っているという程度であったけれど、福島を過ぎるとどんどん雪景色になり、米沢に入る前の山中の鉄路は分厚い豪雪に覆われて、まったく春の気配もなかった。そうして、山形市についたときは、蒼く黄昏れる夕景色が、どこまでも「雪国」なのであった。やはりこれは車は無理だったかなと思いつつ、その日は暮れた。
翌日、講演も無事終了し、帰途の列車の時間まで二時間ほどあったので、旧県庁舎を見物し、それから町の旧市街をそぞろ歩いて見物してきたが、ほとんど古い町並みは残っていないのであった。途中小腹が減ったので、町のそば屋に入ってもりそばを食べたが、ぼそぼそと堅いばかりでちょっとも美味しくなかった。とくにつゆがいけないなあと思いつつ、半分残して出た。
帰りの電車は夜だったので、なにも見えないから、ずっと居眠りしながら帰ってきた。
結果的には、高速道路などは除雪はできているし、主要街道も問題なく除雪が済んでいるので、車で行く事もできたが、それは結果論というもので、もし大雪が降ったら、あの雪国では立ち往生したかもしれぬ。
ともあれ、もっと良い季節、新緑のころにでも、また訪れて少しは旨いものも食べたいものだと痛感したことである。

2014年2月16日日曜日

バレンタインの豪雪


今年のバレンタインデーは、とんだ豪雪になった。
この日私は、神田の竹尾という紙商社にいて、竹尾賞というデザイン関係の本の審査に当っていたが、午後中雪は降っていたものの、神田あたりはまだ積もるという状況ではなかった。
ところが、五時前に帰途についた時分には、はやくも新宿あたりの道路が冠雪しはじめており、環七、環八と下って行くにつれて、雪はいよいよ深くなってくる。降ってくる雪もあたかも吹雪のごとく、暮れて行く小暗さのなか、ますます雪はひどくなってきた。
小金井に着く頃には、もうそこらじゅう雪の原で、あらゆる道はすっかり冠雪し、その上をチェーンを装着した車が走っているせいで、でこぼことひどい悪路になっている。
私は四駆車にスタッドレスを装着して乗っていたので、それほどの危険は感じなかったが、それでもそろそろと30キロ以下で安全に走行してもどった。
それから深夜にいたるも雪は衰えず、夜中になるころには、ついに積雪は40センチを越えた。つい一週間前にも同じくらいの雪が積もって、雪かきに骨を折ったというのに、またもやこの豪雪で、ともかく雪がやむまでは静観ということにした。上の写真は自宅の二階窓からの写真で、隣の駐車場に置いてある車がもう埋もれているばかりか、隣家の塀も半ば埋まっているのが見える。こんな雪国のような景色は見た事がない。下の写真は、玄関前に置いてある車ごしに向かいの家を撮影したものだが、屋根や木々の上の雪の深さが観察できる。そして車は羽布団でもかけたように雪にこんもりと被われてしまった。
観測史上最高の積雪というニュースに、それはそうだろうと思わず納得。忘れ得ぬバレンタインデーになった。

2014年2月14日金曜日

アクシデント

いやはや、大変に長らくのご無沙汰で申し訳ありません。
さて、きのう私は浜松の浜松市立高校というところに招かれて、若いころに挫折を重ねたことを話してきました。じっさい、二十代のころの私は、なにもかも志どおりにいかず、就職もなんどもなんども失敗で、なかなか辛い時期でしたが、今から思うと、それが私の運命であったろうと思います。
私の話が高校一年生の心にとどいたかどうか、それはよくわかりません。
ところが、この講演をするために、市立高校に到着し、大きな資料の鞄を手にもって玄関を入ろうとしたところ、なんとしたことでしょうか、玄関の泥落としマットに足を取られてばったりと転倒してしまいました。ちょうど一塁ベースへのヘッドスライディングというような格好で、盛大に倒れ、しかし幸いに反射的に両手が出て、わりあいにソフトランディングしたので、骨折とか腱断裂とかの重大な怪我には至らず、ただ全身の筋肉痛と、手で着地したところの手のひらの内出血だけで済んだのは、まことに幸いでありました。
その場ですぐに湿布と氷で冷やしたことも奏功したのか、痛みや腫れなどはまったくありません。しかしそれにしても、一歩間違えれば骨折とか、アキレス腱断裂とか、歯を折ったりとかの大事故に至る所でした。
結局、これが老化現象というもので、歩いているときにも重々足先に意識をして、ちゃんと爪先を上げて歩くことが大切と悟りました。
きょうはまた大雪。せいぜいまた転ばないように気をつけなくては!
林 望