2013年8月11日日曜日

源氏収録もたけなわ

連日の猛暑、いや酷暑との闘いには、まことに疲れ果てる思いがする。こう暑いとともかく頭が働かない感じがする。
そんななか、目下着々と進行中なのは、例の『謹訳源氏物語』全巻朗読の収録作業である。いまもう少しで第八巻を読了するところ。この調子を維持していくと、年内に夢浮橋まで全巻朗読を成就することができるかと思われる。
この収録作業は、東京エフエム4Fにあるミュージックバード局の第一スタジオを使って進めている。スタジオは第三まであるのだが、あとの二つは狭いのと音響環境が悪いのとで、能率が下る。そのゆえに、最善の第一スタジオを使っているのだが、それとて、遮音性能が悪いのと、副調整室がなくて同一空間内で朗読と機器操作をやっているので能率はあまりよくない。私は特別な木製スツールに背筋をピンと伸ばして座し、両手は膝の上にきちんと置いて、声楽的な腹式呼吸で特に発声に気をつけながら読んでいる。それでなくては四時間もぶっ通しで録音するなど、出来るはずがない。このごろは、ベルカント的に声帯を自然に鳴らして読むことがすっかり出来るようになったので、四時間読んでも別に声は枯れたりしない。こういう仕事にも学習すべきところがいろいろある。