2013年11月9日土曜日

栃木女子高校


11月8日の午後、栃木市にある県立栃木女子高校で源氏物語についての講演をしてきた。同校は、県下屈指の名門校、作家の吉屋信子さんが卒業したということで、その句碑が立っていた。長い伝統を誇る女子高校は、生徒たちの風姿もすがやかに凛としていて、とても礼儀正しく、すこぶる好感が持てた。講演は体育館に全校生徒ならびに教職員、それから保護者有志、全900人余を集えて行われたので、さすがの私も、ちょっと圧倒されるような感じがした。しかしながら、この生徒たちは、誰一人私語などすることもなく、熱心に真摯に聴講してくれた。講演が終わってからも、三年生数人から、面白い質問なども飛び出して、和気あいあいたる空気に終始したことであった。
そうして、講演が終わってから、生徒職員全員で、同校校歌を歌って聞かせてくれたのは、またじつによかった。この校歌は神保光太郎作詩、信時潔作曲という格調高い曲で、しかし900人の女生徒が二部合唱で歌ってくれたのは、爽やかで美しいことであった。生徒諸君ありがとう。実はこの校歌合唱は、当初の予定にはなかったのだが、私がとくにお願いしたところ、急遽演奏してくれることになったのである。
写真、上は終了後応接室で松田美智子校長先生(前列左端)はじめ、担当教員の皆さん、そして同窓会、保護者会の代表の方々と一緒に撮影した記念写真。この写真からも、ふんわかとした同校の雰囲気が伺えるような気がする。
講演に先立って、すこし時間が余っていたので、例によって、あたりの山野を逍遥してきたが、秋爽の気の横溢する、すがやかに晴れた野の景色はまた格別であった。下の写真は、その秋景色、同市郊外を流れる永野川堤。両岸はすっかり桜の並木で、これが秋ならで春だったら、どれほど美しいであろうか。とはいえ、秋もまたしんみりとした気持ちのいい風景であった。