2009年7月10日金曜日

教師冥利につきる

ちょっと前のことになってしまったけれど、この写真は、六月下旬
に慶應の女子高で私が教えた教え子たちが五十人近くも集って、私
の還暦を祝ってくれた時の写真である。私は、慶應女子高では一介
の非常勤講師に過ぎなかったのだが、それでも、こんなに多くの元
生徒たちが(いまはもう四十代後半の立派な女性たちだが)集って
くれた。そして、集った以上は、単にお祝いの会食というのでなく
て、慶應の日吉キャンパスのセミナールームを会場として、私の講
義を一時間半ほどみっちり聴いて、それから会場を変えて会食と
なった。ここに集うてくれた教え子たちは、多く社会の第一線で活
躍している非常に有能な女性たちだが、三十年ぶりに会えばやっぱ
り高校生のころの雰囲気そのまま、ほがらかで聡明で、じつにきも
ちのいい子たちなのであった。ああ教師になってよかったなあ、と
いわゆる教師冥利に尽きる思いがするというのは、まさにこういう
ときである。