2009年11月11日水曜日

CLC

現在、横浜のみなとみらい、パシフィコ横浜で、図書館情報フェアが開かれていて、世界各国からの参加を得て盛大な催しとなっている。きょうは、そのなかのイベントの一つとして、ケンブリッジ大学出版が、このほど世界に向けてリリースすることになった、Cambridge Library Collection というプロジェクトのプレゼンテーションのために、同社代表のアンドリュー・ブラウン氏と公開対話を試みた。これは、1800年から1920年までの、学術的に価値のある、しかし今では入手も閲覧も困難な書籍を、デジタル化して、これを安価なペーパーバックの形で復刻しようという試みである。今年は1000タイトル、来年からは一年に3000タイトルを復刻するという気宇壮大なプロジェクトであり、しかもケンブリッジ大学出版の学問的良心にかけて、良質な底本の選定、書誌情報や解題の完備、複写の高品質などを保証しようという点で、Googleや、アメリカの複製出版として有名なKessinger社のそれと、明確な差異がある。私はこの試みは学者としてまた作家として大いに歓迎する。というわけで、その前夜、ブラウン氏夫妻と、また同社日本支社長のマーク・グレシャム氏、ならびに担当の平野啓子氏と会食をしながらいろいろと談論風発したことであった。この写真は、その時の記念写真。中央がブラウン氏、私の左がブラウン夫人、そして、右の二人が、グレシャム氏と平野氏。場所は芝浦の料亭「牡丹」。